訪問リハビリテーション単独開設、被災地で可能に

 訪問リハビリテーションの単独開設が被災地に限り、認められることになった。

 厚生労働省は14日、心身が衰えた高齢者向けの介護保険サービスの「訪問リハビリテーション」について、東日本大震災の被災地に限り、事業所の開業基準を緩和することを決めた。現行は病院や診療所への併設でなければ開業できないが、被災地では医師不足で診療所の閉鎖が相次いでいることから、特例で単独開業を認める。これにより、被災地の高齢者がリハビリを受けられずに要介護度が重くなるのを防ぐ。


 訪問リハビリの単独開業の対象は、昨年12月に成立した復興特別区域(特区)法が適用される11道県の計222市町村。単独開業は省令改正により、申請のあった地域ごとに今月以降順次認める。 

http://www.asahi.com/politics/jiji/JJT201201150003.html


 宮城県HPhttp://www.pref.miyagi.jp/iryou/IMU/tsuuchi/H23tsuuchi.htm平成24年1月13日国通知(命令公布)に次のような記載がある。

四 訪問リハビリテーション事業所整備推進事業(第6条関係)
 特定地方公共団体である道県が、復興推進計画の区域内において復興の円滑かつ迅速な推進のために必要な指定訪問リハビリテーション事業所の整備を推進する事業(訪問リハビリテーション事業所整備推進事業)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該区域内の指定訪問リハビリテーション事業所であって、病院若しくは診療所又は介護老人保健施設との密接な連携を確保し、指定訪問リハビリテーションを適切に行うとその所在地の道県知事が認めるものについて、開設主体を病院、診療所及び介護老人保健施設に限定しないこととすること。


 復興特別区域(地区)については、http://www.reconstruction.go.jp/topics/2011/12/000344.html復興特区法説明資料2ページに詳しい地図がある。千葉、埼玉など関東地方の一部を含め、かなり広範囲にわたっている。最初の関門は、道県の復興推進計画に訪問リハビリテーション事業所単独開設が取り入れられるどうかであるが、被害の大きい津波被災地を抱える岩手、宮城、福島県では認められるのではないかと予想する。
 被災地で訪問リハビリテーション単独事業所開設が可能となれば、ボランティアとして活動を続けているリハビリテーション関連職種にとって朗報となる。当院でも、訪問リハビリテーション拡充を目指している。療法士確保状況によるが、2012年度介護報酬改定で可能になると言われているサテライト型訪問リハビリテーション事業所を検討している。リハビリテーション過疎地域であるために、環境調整もままならず、閉じこもりから低活動症候群となっている高齢者が救われる。競争が激しくなることは、むしろ歓迎すべきことである。
 訪問リハビリテーションステーションのモデル事業としての意義もある。本事業が成功すれば、次回介護報酬改定において訪問リハビリテーション訪問看護ステーションと同等の事業としてに位置づけられる可能性が高まる。志の高い療法士が被災地に集まり、旺盛に事業を展開することが日本全体に影響を与えることになる。