通所介護改定討議の論点

 第83回社会保障審議会介護給付費分科会資料 |厚生労働省を見ると、介護報酬改定に関する具体的な議論が開始されている。資料1通所介護の基準・報酬について(PDF:638KB)を開くと、次のような論点が提起されている。

通所介護の基本報酬について


【論点1】 通所介護の基本報酬については、加算の算定状況及び業務の実態を勘案し、必要な見直しを行うべきではないか。 具体的には、1機能訓練指導員を配置して個別の計画作成等を評価する個別機能訓練加算(I)を廃止し、基本報酬に組み入れて包括化するとともに、2看護職員が配置されている通常規模型以上の基本報酬について、看護業務と機能訓練業務の実態を踏まえ、適正化を図ってはどうか。
※ 併せて、個別的な機能訓練の評価を充実 →【論点3】

【論点2】 通常規模型事業所と小規模型事業所の、サービス提供1回当たりに要する管理的経費の実態に応じて、小規模型の基本報酬について適正化を行ってはどうか。
※ 小規模型事業所の報酬単価は、管理的経費などのスケールデメリットを考慮し、通常規模型より17%高い設定となっている。
※ 管理的経費の実績から比較すると、小規模型におけるサービス提供1回当たりのコストは、通常規模型と比較して約15%高い結果となっている。

【論点3】 利用者の自立支援の促進の観点から、機能訓練を適切な体制で実施する事業所を評価してはどうか。具体的には、個別的な機能訓練を評価する加算を創設してはどうか。


 介護予防通所介護では、運動器機能向上加算において個別的な訓練を評価しているが、通所介護 においては、個別的な訓練が評価されていない。

(感想)
 通常規模も短時間型も通所介護は引き下げの方向となっている。
 一方、専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士等が常勤勤務している時に算定される加算を残し、さらに個別的な機能訓練をしている時に評価される加算を新設する。通所介護も機能訓練重視に変更されることになる。

サービス提供時間区分について
【論点4】 サービス提供の実態や家族介護者支援(レスパイトケア)促進等の観点から、時間区分を見直すとともに、更なる延長加算を認めて長時間のサービス提供を評価する仕組みとしてはどうか。 ※ 認知症対応型通所介護も同様とする

人員配置基準について
【論点5】 事業者がより柔軟に事業を実施し、より効果的にサービスを提供できるよう、生活相談員と介護職員の人員基準を見直してはどうか。具体的には、1常勤換算方式を導入して、ピークタイムに手厚く配置するなどの柔軟な人員配置を可能とするとともに、2「単位ごと」の配置から「事業所ごと」の配置に見直し、複数単位を実施する場合に柔軟な取扱いを可能としてはどうか。 ※ 介護予防通所介護認知症対応型通所介護も同様とする

(感想)
 レスパイトケアの立場から、早朝や夜間などの長時間サービスが評価される。そのために、柔軟な人員配置を可能とする基準を作ろうとしている。

同一建物の住宅から通所介護を利用する場合の送迎費用について
【論点6】 通所介護事業所と同一建物に居住する利用者については、真に送迎が必要な場合を除き、送迎分の適正化を図ってはどうか。
※ 通所リハビリテーション、介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーション認知症対応型通所介護においても同様とする。

(感想)
 同一建物内の介護事業では、送迎費相当分が減額される。