リハ過疎地域への回復期リハ病棟建設の動き

 宮城県リハビリテーション医会が開かれた。会議の中で、気仙沼市立病院の復興計画の中に回復期リハビリテーション病棟開設が予定されているという話が出た。仙南医療圏の公立刈田綜合病院登米医療圏の登米市立登米病院(旧佐沼病院)では、回復期リハビリテーション病棟が既に開設されたことも分かった。栗原医療圏の栗原中央病院にも回復期リハビリテーション病棟の計画があるらしい。
 http://www.pref.miyagi.jp/iryou/regional_medical_plan/rmpindex.htmlをみると、第3編 医療供給体制、63〜64ページに次のような記載がされている。


 仙南、栗原、登米気仙沼各医療圏に共通するのは、リハビリテーション過疎地域であることである。第2編 医療の状況:第5節 医療施設の状況、第6節 医療従事者の状況の47ページに次のような図がある。


 平成18年度の統計で人口10万人あたりの数で比較すると、宮城県は、理学療法士作業療法士言語聴覚士いずれも全国平均値を下回っている。その中でも、仙南、栗原、登米気仙沼各医療圏の少なさは際立っている。特に気仙沼医療圏は、常勤換算で理学療法士9.0、作業療法士3.0の計12名しかいない。言語聴覚士にいたっては0.0となっている。気仙沼医療圏には、東日本大震災で大きな被害を受けた気仙沼市南三陸町からなる。
 リハビリテーション過疎地域で生じた大震災に際し、公的病院が中心となり、回復期リハビリテーション病棟開設の動きが出ていることは歓迎すべきことである。リハビリテーションセンター的機能を持った病院が核となり、介護・福祉の力量向上を目指している。
 リハビリテーション専門職養成校が急増している。リハビリテーションのフロンティア地域で先駆者となることを目指す療法士が多数出てくることを望みたい。