コンサートホール被災を乗り越え、せんくら2011開催

 仙台クラシックフェスティバル2011が開かれた。今年は、講演数が従来の半分の50に減っている。理由は、毎年使用されているコンサートホールが地震の影響で利用不可能となっているからである。各会場の被災状況は以下のとおりである。

# 青年文化センター (仙台市青葉区旭ヶ丘)

 ※ 7月1日(金)から部分的に開館予定


 ○コンサートホール吊り天井上部の建築・設備一部破損。
 ○シアターホール客席後方の天井破損。舞台機構の一部(吊物ガイドレール)損傷。
 ○2階交流ホールスプリンクラーの配管破損(多量の消化用水が流出)。
 ○地下パフォーマンス広場壁面モルタル剥離・落下。高所照明器具取付部破損。
 ○4月7日深夜の余震により、3階ギャラリーの窓ガラスが大きく破損。


# イズミティ21 (仙台市泉区泉中央)

 ※ 復旧作業のため休館中


 ○大ホール客席部分の天井一部落下、スプリンクラー配管破損。その後、4月7日深夜の余震でも天井が落下。
 ○小ホール空調ダクト取付金具落下。
 ○その他、内壁・外壁面に剥離箇所あり。


# せんだいメディアテーク (仙台市青葉区春日町

 ※ 5月3日(火・祝)から部分的に開館


 ○7階天井一部落下。その後4月7日深夜の余震により、半壊状態だった7階西側天井が落下。
 ○5〜7階、スプリンクラー作動による浸水。
 ○3階南側窓内面ガラス破損。
 ○2〜4階市民図書館フロアで大多数の図書が書架から落下・散乱。

仙台市市民文化事業団|トピックス

# 太白区文化センター楽楽楽(ららら)ホール:
 外壁や窓ガラスが壊れたほか、楽楽楽(ららら)ホール天井が落下したため、全面再開には時間がかかる見通しです。
 5月10日に展示ホール、スタジオ、音楽練習室1・2が再開。楽楽楽ホールやリハーサル室等については本年度内の再開を目指しています。

http://www.city.sendai.jp/soumu/kouhou/shisei/sis1106/tokushu01.html


 ちなみに、東京エレクトロンホール宮城 | 東京エレクトロンホール宮城のウェブサイトです東京エレクトロンホール宮城被災状況(一部)の画像をアップしました。のとおり、著しい被害を受けている。個別の状況はこちらをクリック!を見ても、宮城県文化施設の被害は甚大である。加えて被害を免れた公共施設はしばらくの間、避難所として使用されていた。支援の意味を含め、仙台・宮城での公演開催を望んでいる全国のミュージシャンたちも、演奏場所がないという状況となっている。


 出演した演奏家たちも一様に言っていたが、せんくら2011が予定どおり開催されたこと自体が奇跡的といえる。実質的に、いち早く再開できた青年文化センターのみでの開催となっている。こじんまりとしているが、その分復興への思いが凝縮され、演奏者と観客との間に一体感が生まれている。