被災地復興に集結した技術者たち

 ライフライン復旧のために、全国から技術者が集結している。

 東日本大震災で一般家庭への供給が停止している仙台市の都市ガスの復旧作業を本格化させるため、全国のガス事業関係者で構成する修繕隊の受け入れ式が24日、宮城野区の市ガス局幸町庁舎で行われた。
 北海道ガス東京ガス東邦ガス名古屋市)、大阪ガス西部ガス(福岡市)の社員ら約250人が参加。奥山恵美子市長は「家庭にガスの火をともす第一歩を迎えられたのは全国のガス事業者の力のおかげ。一軒一軒にガスを届ける仕事が無事に進み、一日でも早くガスの開通を喜び合いたい」と、感謝と激励の言葉を述べた。
 修繕隊は、ガス管の点検修理や一般家庭でのガスの開栓に当たる。市ガス局によると、最大で全国から23事業者、約2700人が参加し、最も遅い地域で1カ月半とみられる復旧時期の短縮を目指す。

http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110324t13042.htm


 東北関東大震災発生から2週間以上が経った。仙台では、電気・水道の復旧は早かった。都市ガスも仙台港にあった施設が壊滅的な被害を受けたが、新潟からくるパイプラインを使う目処がたち、既に一部地域で供給が再開された。一方、下水処理施設の被害が甚大であり、しばらくは汚水や汚物処理に苦労することになりそうである。
 交通網も回復しつつある。高速道路は一般車両が通れるようになった。港湾機能回復とあわせ、物流面の改善は目覚ましい。相変わらず、ガソリンスタンドは長蛇の列だが、燃料不足も解消の見通しが見えている。東北新幹線は4月中に全線開通の見込みである。在来線も少しずつ復旧している。3月28日にはあおば通・仙台から小鶴新田まで仙石線の運転が再開される。津波でずたずたに寸断された地域はともかく、その他の路線も順次回復していくと思われる。
 地震津波で壊滅的な被害を受けた沿岸地域と比べ、申し訳ないように思えてくる。ライフライン、物流いずれも全国から技術者が集結し、力を合わせ急ピッチに復旧事業を進めてくれている。大震災の規模を考えると、気が遠くなるような作業がこれからも続く。地元を長期間離れ、地道に作業を勧めるこれらの人びとの存在に勇気づけられる。