臨床研修指導医講習会

 10月23日(土)、24日(日)の2日間、埼玉協同病院を会場として行われた臨床研修指導医講習会に参加してきました。




 2日間でのべ16時間の研修を受け、頭も身体もふらふらの状態で、帰途につきました。先週の日曜日に日直をしたことも考え、最初から今日は仕事は無理と考え、有給休暇をとらせてもらいました。丸1日のんびり過ごして、なんとか体力が回復しつつあるというところです。


 リハビリテーション科は運動療法を主要な治療手段とする診療科であり、運動学習をいかに行わせるかということを重視しています。また、チーム構成メンバーも多様であり、スタッフ教育にも力を入れています。その意味で、学習・教育については多少かじっていたつもりですが、のっけから横文字の専門用語が飛び交う展開に少々戸惑いました。例えば、「それでは、タスクを紹介します。」という挨拶に面食らいました。自己紹介を聞きながら、手元の資料をパラパラとめくると、スタッフ名簿のところに「TF」との記載があります。「何これ??」と思いながら、ページをめくっていると、「タスクフォース」という文字が見つけました。どうやらこのことを意味しているらしいと推測を働かさせているうちに、自己紹介の最後に「タスクフォース」の説明があり、「ワークショップ」の時に、いろいろとお手伝いをしてくれるスタッフということがやっとわかりました。また、最初のスケージュールは「アイスブレーク」でした。頭の中で「??」という記号が踊りました。具体的に課題が指示されるなかで、初対面の参加者が打ち解けるための工夫ということがおぼろげながら分かりました。難解な医学用語で病気を説明される患者・家族になった気分でした。
 これから始めることは決して容易なことではない、難易度が高い課題である、と最初にカルチャーショックを与えるために、わざと専門用語の意味を説明せずそのまま使用しているのかなと、最後にふりかえった時に思いました。どうせ参加しているのは、医師、それも研修医の指導をしようという志の高い人間たちなのだから、あまり丁寧にしすぎると、簡単すぎて学習意欲を損なうことになると企画の段階で医学教育関係者は作戦を練ったようです。確かにその後のスケジュールをこなす中で、言葉にも慣れ、企画責任者の意図もつかめてきましたので、「難易度の設定」も適切だったように感じます。
 問題は、今後の取り組みです。盛り沢山の内容で消化不良の状態です。このままでは、学習曲線の理論からすると、「一夜漬け曲線」になってしまいそうです。幸いにも、12月から「地域医療」の枠で、大学から2年目研修医が1ヶ月の予定で回ってきます。講習会で学習したことを整理しながらカリキュラム案を作っていく中で、成果の「保持・定着」を図っていくつもりです。また、講習会の中でも指摘されていましたが、今後の医学教育の焦点は明らかに3年目以降の後期研修です。現行の研修システムの修正・発展に今回学んだことが生かしていきたいと考えています。