ワーファリン調剤ミスで薬剤師書類送検される

ワーファリンの調剤ミスに関し、薬剤師が書類送検された。

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 心機能の低下などで2008年9月、東京都足立区の男性(当時82)が死亡したのは、薬剤師が処方箋(せん)の4倍の量の薬を過って調剤したのが原因だとして、警視庁は18日、同区鹿浜5丁目の東京医療第一薬局の薬剤師の男女2人を業務上過失致死の疑いで書類送検し、発表した。


 捜査1課によると、男性は心臓病などを患っており、通院していた足立区内の病院の医師から血栓症防止薬を処方され、08年8月13日、同薬局で薬を調剤された。毎日服用したところ、下血や皮下出血の症状が出て、同年9月9日に心肺機能不全で死亡した。


 処方箋は1回1.5ミリグラムの血栓症防止薬を出す内容だったが、女性薬剤師(37)が過って6ミリグラムを調剤。薬局長の男性薬剤師(59)は量の確認を怠った疑いがある。女性薬剤師は「誤調剤により事故を起こしてしまい、深く反省している」、男性薬剤師は「慣れがあり、担当任せにした。申し訳ない」と話しているという。


 血栓症防止薬は過剰に服用すると大量出血を引き起こす危険があるといい、同課は男性が薬を大量にのんだことが死亡につながったと判断した。

アピタル(医療・健康・介護):朝日新聞デジタル


 関連エントリーの方に既に記載したが、今回の調剤ミスは次のような内容だったと想像する。


 処方内容: ワーファリン1mg錠 1錠 + 0.5mg錠 1錠
⇒調剤内容: ワーファリン1mg錠 1錠 + 5mg錠 1錠


 気になるのは、処方箋の記載内容である。ワーファリン1.5mgを書かれていたのか、それとも、ワーファリン1mg錠 1錠 + ワーファリン0.5mg錠 1錠となっていたのか。後者で、かつ、手書きの処方箋だったとしたら、ワーファリン1mg錠 1錠 + ワーファリン5mg錠 1錠と誤認した可能性が高くなる。また、前回処方内容との照合を行ったかどうかも問題となる。私は、ワーファリンに数種類の剤型があることが、ミスを誘発したと判断する。
 個人を処罰するだけではヒューマンエラーを予防できない。ミスを犯しやすい環境を改善することが求められている。ワーファリン処方時には剤型を指定せず、総量を記載する方式にしない限り、同じ事故は起こりうる。