こんにゃく入りゼリー形状・物性等の改善必要との報告

 消費者庁より、食品SOS対応プロジェクト報告‐こんにゃく入りゼリーを含む食品等による窒息事故リスクの低減に向けて‐が発表された。

関連エントリー


 食品等のリスク要因は次のように整理されている。

  • 1) 大きさ
    • 子どもの場合、弾力性に富んで気道の大きさに変形し得る食品等については、窒息事故リスクが高くなると考えられる。
  • 2) 物性
    • 表面平滑性が高い食品等では、吸引時の変形・破断等を経ず、気道に移動する場合がある。
    • 弾力性や硬さが大きい場合、咀嚼しても砕けにくく、噛み切りにくい場合があり、気道に移動して完全閉塞が生じやすい傾向がある。完全閉塞に至った場合には吸気による解除は不可能である。
  • 3) 構造
    • 一口サイズで、吸い込んで食べるような構造となっている食品は、咀嚼することなく咽頭部へ送り込まれる可能性があり、窒息事故リスクが高くなると考えられる。


 以上を受け、窒息事故リスク低減に関しては、次のように記述されている。

(2)形状・物性等の改善
 本プロジェクトの検討結果からは、多くのこんにゃく入りゼリーについては、重篤な窒息事故につながり得るリスク要因を複数有していると指摘することが可能との知見が得られた。窒息頻度が高いもちやあめについては、もちは口腔内での滑りやすさが低く、あめは強い気道閉塞を生じさせにくい点では、こんにゃく入りゼリーよりもリスク要因が少ないことが示唆された。
 この検討結果の解釈においては、データ数が限られていることや一定の前提条件の下での試験であること等に留意しなければならない。一方で、得られた知見に基づけば、こんにゃく入りゼリーによる窒息事故リスク低減を図るためには、従来と同様な警告表示や注意喚起にとどまるのではなく、商品の形状、物性等に踏み込んだ改善を講ずることが望ましいと判断される。一口サイズで、十分に咀嚼しなくても食道へ運ばれる大きさ、吸い込んで食べるような構造、口腔内での滑りやすさ、噛み切りにくさ、崩れにくさ等の物性を併せもつという特異性があるからである。
 それゆえ、消費者庁としては、早急に、関連する事業者、事業者団体等に対して、上記のようなリスク要因の軽減につながる具体的な改善を促していくこととする。
 また、今後同種・類似の属性を有する新規食品が設計開発されることも考えられることから、関連し得る事業者、事業者団体等に対して広く注意喚起を行う。


 こんにゃく入りミニカップゼリーによる窒息問題を、当ブログでも何回か取り上げてきた。消費者庁の結論は、ほぼ私の主張と同じである。
 こんにゃく入りに関係する部分は、物性のところである。一方、ミニカップ入りに関係するところは、大きさと構造である。したがって、こんにゃく入りでなくても、「吸い込んで食べるような構造」であるミニカップ入りゼリーは窒息の危険性が高いことにもっと注目すべきである。