不正請求に関する感覚麻痺

 柔道整復師、水合(みずあい)修容疑者(40)が、追突事故の治療費を損害保険会社に不正請求した事件で逮捕された。明らかな詐欺事件だが、あまりにも杜撰すぎる。

逮捕容疑は、平成20年12月上旬から21年1月下旬、小山容疑者ら家族3人が約10回しか治療を受けていないのに、計約150回治療したなどとする虚偽の施術費明細書などを都内の損害保険会社に送付し、水合容疑者の預金口座に計約80万円を入金させたなどとしている。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/100125/dst1001251328007-n1.htm


 年末年始を含めて365日施術を行っているとしても、12月1日から1月31日までは62日しかない。家族全員が毎日通ったとして、62×3=186日となる。計150回という回数が如何に常識を逸脱しているかが分かる。
 不正請求が常態化していたため、この柔道整復師は自らの愚かさに気づかなかったのだろう。今回の事件を契機に保険者から監査が入り、おそらく、億単位の返還命令がなされる。行政処分が行われ、免許停止されることも予想される。倫理意識の低さが自らを滅ぼす典型的な事例である。