病院の耐震化率は、56.2%

 現状では、震災被害が最も大きいのは災害拠点病院ということになりかねない。病院の耐震改修状況調査の結果について |報道発表資料|厚生労働省より。

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【調査結果のポイント】
○ 病院の耐震化率は、56.2%(平成17年調査では36.4%、平成20年調査では50.8%)
○ このうち、地震発生時の医療拠点となる災害拠点病院及び救命救急センターの耐震化率は、62.4%(平成17年調査では43.3%、平成20年調査(災害拠点病院のみ)では58.6%)
(参考)
 ・「自然災害の『犠牲者ゼロ』を目指すための総合プラン」(平成20年4月23日中央防災会議決定)において、平成22年度までに災害拠点病院及び救命救急センターの耐震化率を71.5%とする目標を定めています。

 厚生労働省においては、平成20年度補正予算、平成21年度予算及び平成21年度1次補正予算において、次の措置を講じており、引き続き、病院の耐震化の促進に努めてまいります。
・ 平成20年度補正予算から、災害拠点病院の耐震整備に対する補助事業について、国の補助割合を3分の1から2分の1へ引上げ
・ 平成21年度予算から、救命救急センター、二次救急医療機関等の耐震整備に対する補助事業について、国の補助割合を3分の1から2分の1へ引上げ
・ 平成21年度1次補正予算において、医療施設耐震化臨時特例交付金により、災害拠点病院救命救急センター及び二次救急医療機関の耐震整備に対する補助を行うための基金(総額1,222億円)を各都道府県に設置


 別紙3(災害拠点病院及び救命救急センターの耐震化の状況(都道府県別))(PDF:119KB)を見ると、宮城県では耐震化率は58.3%となっている。最下位の香川県28.6%と比べるとましだが、全国平均62.4%を下回っている。
 http://www.city.sendai.jp/syoubou/bousai/kakuritu/index.htmlをみると、10年以内の発生確率は70%程度である。当院は、10年前に新築したので耐震化は済んでいる。外来棟の補強作業も終わった。それでも、震災級の地震に耐えうるかどうか不安がある。
 病院の耐震化が進まない最大の理由は病院経営の悪化である。公立病院の多くが災害拠点病院になっている。しかし、「公立病院改革ガイドライン」のもと、公立病院の再編・ネットワーク化が推進され、病院耐震化を行う余力がなくなっている。本気で災害拠点病院の耐震化を行うつもりならば、国庫補助割合を100%とするような英断が必要である。