オバマ大統領、医療改革に向けて演説

 米国の医療制度改革に目指し、オバマ大統領の奮闘が続いている。

*大統領は「公的保険制度」を支持、他の案にもオープンとも強調。
*大統領は、改革案を曲解しているとして反対派議員を厳しく非難。
*大統領の医療保険改革案、コストは10年間で9000億ドルに。
医療保険改革案、高額プランについて保険会社への課税盛り込む。
民主党重鎮、共和党の賛同がなくとも改革を推し進める、と表明。


 [ワシントン 9日 ロイター] オバマ米大統領は9日、医療保険改革をめぐって上下両院合同本会議で演説。「論争の時期は終わった」と述べ、早急な対応を求めた。演説の模様は全米でテレビ中継された。

ロイター オバマ米大統領が医療保険改革で議会演説、早急な対応求める


 演説の評価は上々だったようだ。

ワシントン(CNN) オバマ米大統領が9日、議会の上下両院合同会議で演説し、医療保険改革法案の可決を訴えた問題で、同法案の支持者が演説を境に53%から67%に増えたことが最新世論調査で1日分かった。CNNとオピニオン・リサーチ社が共同実施した。

http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200909100029.html


 オバマ大統領は、医療制度改革で今後10年間に9000億ドルのコストが必要と述べている。1年あたり約9兆円となる。日本の総医療費が平成20年度で約34.1兆円である*1ことを考えると、その額の大きさが分かる。
 膨大な利益をあげている民間保険会社への規制も強めようとしている。これまでの医療制度で利益をあげていた層を中心に強力な反対運動が繰り広げられているが、なんとか成就して欲しいものだと応援している。
 振り返ってみると、日本では長引く低医療費政策で現場が疲弊している。特に、小泉内閣以後、毎年2,200億円の社会保障費削減が行われたダメージは大きい。民主党政権は公的医療費増を公約としている。こちらもぜひとも実現させて欲しい。