繰り返される胃管誤留置事故

 胃管誤留置事故が報告された。

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長大病院がチューブを肺に誤挿入 昨年4月にも同じミス


 長崎大学病院長崎市坂本1丁目、河野茂院長)は31日、70代の男性患者に対し、本来胃に入れるはずのチューブを誤って気管に挿入し、患者の呼吸状態が一時悪化する医療ミスがあったと発表した。患者は肺炎になり、現在も治療中だという。


 同病院によると、ミスが起きたのは8月27日。入院中の男性患者に主治医が、栄養補給のため鼻からチューブを胃に入れようとしたが、肺に挿入。患者にむせやせきの反応はなく、気付かないまま栄養剤約500ccを肺に流し込んだ。


 約1時間半後、患者の呼吸状態が悪化しているのに主治医が気付き、検査の結果、ミスが発覚。患者は肺炎を患った。意識はあり、容体は安定していて快方に向かっているという。


 同病院では昨年4月にも別の入院患者への同様のミスが発生。これを受け、従来のマニュアルを改定し、複数のスタッフで胃液の逆流音の確認などを徹底した。今回は主治医と看護師が確認したが、誤挿入に気付かなかった。


 同病院は今後、エックス線を使って確認するなどの対策を講じるとしている。会見した河野院長は「患者や家族に多大な心配をかけ、深くおわび申し上げる。抜本的な再発防止策を講じたい」と陳謝した。

http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20090901/06.shtml


 胃管留置確認の基本はX線撮影である。胃管が肺に誤留置されていても、要介護高齢者やICUに入室しているような重度患者の場合、むせなどの反応が全くないことがある。さらに、X線で確認しても正面写で胃に挿入されていると勘違いすることさえある。
 注意深い観察の結果、死亡事故には至らなかったことは、不幸中の幸いだった。