痙性治療の重要性

 引き続き、Anthony B Ward氏のKeynote lectureより。


 痙性は障害であり、疼痛、移動動作、巧緻性、身の回り動作、自尊心に関わっている。また、痙性は様々な合併症と関わっており、不良姿勢、褥瘡、拘縮の原因となる。痙性を放置すると悪循環に陥る。
 最近、新しい技術の導入および装具療法と薬物療法の復活に伴い、痙性に対する治療が著しく発展してきている。痙性に対する専門家チームを立ち上げ、戦略的に対応することができるようになっている。


 ISPRMの抄録集がCD-ROMになっている。「Spasticity(痙性)」をキーワードにして検索してみると、123件もの演題がヒットする。「Botox」にすると5件、「ITB(髄腔内バクロフェン療法)」で12件の演題がある。
 日本でも、2005年より髄腔内バクロフェン療法が脳脊髄疾患に由来する重度の痙性麻痺に対して保険適用となった*1。学会での報告例も増えている。
 リハビリテーション医学において、痙性治療の重要性が増してきていることを実感する。