インフルエンザ、2008-2009年度シーズンは2峰性分布を示す

 神戸、大阪の高校生を中心に、海外渡航歴のない新型インフルエンザが多数報告されている。検疫をくぐり抜けて、既に新型インフルエンザが蔓延しているのではないかという危惧がある。


 インフルエンザの過去10年間の流行状況は、国立感染研究所感染症情報センター、過去10年間との比較グラフ(インフルエンザ)に詳しい。


 過去10年間で最もインフルエンザが流行したのは、2004-2005年シーズンである。2008-2009年度シーズンは、第8週頃までは他の年度と流行形態に大差はなかった。しかし、その後再び感染者が増え2峰性分布を示しているところが、他の年と異なる。この間の事情について、感染症発生動向調査 週報 2009年第14週には次のように記載されている。

第36週以降のインフルエンザウイルスの分離報告数は47都道府県から5,410件あり、その内訳はAH1亜型2,898件(53.6%)、AH3亜型1,397件(25.8%)、B型1,115件(20.6%)となっており、第4週をピークとした流行はAH1亜型が、後半の第11週をピークとした流行はB型が発生の中心であったものと推定される(図5、図6)。


 4月の発生数は、流行のピークが後半にずれた2006-2007年についで2番目に多い。しかし、このことを根拠にして、新型インフルエンザが蔓延していると主張できる状態には至っていない。