新型インフルエンザ対策、「国内発生早期」へ

 新型インフルエンザ、国内発生例が確認された。

 厚生労働省は十六日、新型インフルエンザ感染が疑われていた神戸市在住の県立高校三年の男子生徒(17)について、国立感染症研究所の確定検査で感染を確認したと発表した。検疫でなく、ウイルスの国内侵入による感染が初めて確認された。また、同じ高校の男女二人の生徒についても同市環境保健研究所で詳細(PCR)検査したところ、二人とも新型に陽性反応があり感染が濃厚となった。感染研で確定検査する。三人とも海外渡航歴がなく、人から人への感染が広がっている疑いが強まった。


(中略)


 新型の患者の国内発生を受け、国の行動計画は第二段階「国内発生早期」に進み、これまでの水際対策から感染防止対策に重点を切り替える。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009051602000247.html


 「新型インフルエンザ対策ガイドライン」について|厚生労働省内に、新型インフルエンザ対策ガイドラインがある。全体版、総論の中に、「発生段階」の説明と主な対策が記載されている。


【第二段階】国内発生早期
目的:
1)国内での感染拡大をできる限り抑える。


主な対策:
1)患者に対する感染症指定医療機関等への入院措置及び抗インフルエンザウイルス薬の投与を行う。
2)積極的疫学調査を行い、接触者に対しては外出自粛とした上で、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与及び健康観察を行う。
3)地域住民全体への抗インフルエンザウイルス薬の予防投与や人の移動制限を伴うウイルス封じ込めの可否を判断する。
4)発生した地域において、学校等の臨時休業、集会・外出の自粛要請、個人防護の徹底の周知等の公衆衛生対策を実施する。
5)パンデミックワクチンの製造を進める。
6)全国の事業者に対し、不要不急の業務の縮小に向けた取組や職場での感染防止策を開始するよう要請する。
7)社会機能の維持に関わる事業者に対し、事業継続に向けた取組を要請する。


 第一段階「海外発生期」の対策と比べてみると、水際対策に違いがある。「海外発生期」では検疫体制が強化され、隔離や停留措置が実施される。一方、第二段階「国内発生期」では、第一段階の対策を継続しながら、次の対策が加わる。

・感染したおそれのある者に対しては、不要不急の出国を自粛するよう勧告する。また、発熱症状等が見られる者がチェックインしようとした場合には拒否を行うよう、航空会社等に注意喚起する。(厚生労働省国土交通省


 入国だけでなく、出国も監視下に置かれる。なお、「感染したおそれのある者」の中に、発熱患者を診る機会が多い医療従事者が含まれる可能性はある。


 医療体制に関するガイドライン(PDF:385KB) をみると、現在は次のような医療体制をとることになっている。


 当面、発熱外来を設置しない当院のような医療機関は、発熱相談センターの連絡し、指示を仰ぐことになる。
 いずれにせよ、新型インフルエンザ対策は、感染拡大を見据えた新たな段階に入ったことは間違いない。