法的位置づけのない施設に入居する生活保護受給者は1万4286人

 全てが貧困ビジネスの犠牲者とは思いたくないが、この数は半端ではない。

 無届けの有料老人ホームなど、社会福祉に関する法律で位置づけのない施設に入居する生活保護受給者が1万4268人に上ることが、厚生労働省のまとめで分かった。全受給者(約162万人)の0・9%にあたる。


(中略)


 法的位置づけのない施設とは、無届けや、届け出の必要がない施設。生活保護を受給する入居者から受給額のほとんどを徴収する一方、住環境が劣悪で処遇に問題があるケースが指摘されている。


 同省は実態を把握して対策を立てるため、「たまゆら」火災の前の今年1月に都道府県などに調査を依頼。1月1日時点で▽高齢者▽ホームレス▽アルコール依存症者ーー向けの施設・共同住宅などを調査対象とした。


(中略)


 毎日新聞が実施した都内自治体への調査では、法律に位置づけられた施設を含め、移管手続きなしに都外に転居した受給者は約1000人に上った。厚労省は3月末、有料老人ホームで無届けの疑いがある施設数を計579と発表。今回の調査も正式な集計がまとまり次第、受給者の入居施設数など運営実態を公表する。【佐藤浩

http://mainichi.jp/life/health/fukushi/news/20090424ddm041040033000c.html


 各県ごとにデータが示されている。800人以上の県をみると、大阪2,638、北海道1,618、愛知1,218、千葉1,122、沖縄937、東京911、埼玉833、青森828となっている。人口が多い都市部と経済的困窮者が多い地方部に集中している。東京は911人中517人が都外の施設に入っている。支給元の都道府県外で入居している者は617人であり、東京がその中の83.8%を占める。一方、ゼロ回答が計4県ある。特に最も多い大阪に隣接する京都が0となっており、調査の信頼性に疑問を残す結果となっている。
 法定外施設には、社会保障制度の隙間に落ちる生活困窮者に対する援助を目指す良心的事業者と、高齢者、ホームレス、アルコール依存症者を食いものにする悪質事業者が混在している。適切な規制が必要である。早期に実態調査結果が公表されることを望む。