ワーファリンの調剤ミスによる医療事故

 調剤薬局のミスと思われる医療事故が報道された。

調剤ミス原因か、82歳男性が死亡


 東京・足立区の薬局が、誤って処方箋のおよそ4倍の量の薬を調剤した結果、患者が死亡した疑いがあるとして、警視庁は29日、この薬局の家宅捜索をおこないました。


 業務上過失致死の疑いで家宅捜索を受けたのは、足立区鹿浜の「東京医療第一薬局」です。


 去年8月、この薬局で調剤された血栓予防のための薬「ワーファリン」を心臓病の82歳の男性が指示通り服用したところ、翌月になって皮下出血などを発症し、大量の出血によるショックで死亡しました。


 「ワーファリン」は心臓病の患者などが過剰に服用すると大量出血を引き起こす危険性があるということです。


 警視庁は、薬局の薬剤師の女(35)らが処方せんに記載されていたおよそ4倍の量を調剤するなど、分量を間違えた疑いがあるとみて調べをすすめる方針です。(29日17:09)

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4120307.html


 信じられないニュースである。ワーファリンは微妙な調整が必要であり、調剤にあたってもっとも神経をつかう薬剤である。もし、報道されているとおりだとしたら、調剤薬局の明白な過失と認定されることは間違いない。
 成分量の異なる複数の剤型がワーファリンにある*1。内容量の異なる薬剤を調剤する時は細心の注意が求められる。錠数が同じだとしたら、0.5mgの錠剤を2mgの錠剤と間違えた可能性がある。手書きの処方箋だったとしたら、医師の悪筆を読み間違えたのではないか。例えば、ワーファリン1mg 1/2錠という処方箋を、ワーファリン1mg 2錠と判読したとしたら、処方量は4倍となる。
 いずれにしろ、今回の事故は決して繰り返してはならない。調剤薬局において要注意薬のダブルチェックの徹底がこれまで以上に求められる。