胃潰瘍は市販薬を1日だけ服用しても治りません

 イチローも心配だが、この人のコメントも誤解を招きそうで気にかかる。

■医学博士で新渡戸文化学園短期大学の中原英臣学長の話


 「WBCのストレスでしょう。めまいは胃の出血からくるもので、それなりの量が出血したものとみられる。胃が痛くなり、吐き気や食欲がなくなるなどの症状が出る。ただ、吐血はしていないだろう。


 ストレスを感じると、だれでもすぐになってしまう病気だが、決して侮ることはできない。夏目漱石胃潰瘍で亡くなっているぐらいで、昔は命にかかわる病だった。現在は医学が発達したおかげで比較的短期間で治療が可能。


 私も過去2回、ストレスで胃潰瘍になり、市販もされているH2ブロッカーの胃薬を飲んで1日で回復した。スポーツ選手はわれわれの生活と違うので、体をベストの状態に持っていくには2週間の休養は必要だ」

http://www.zakzak.co.jp/spo/200904/s2009040401_all.html


 「H2ブロッカーの胃薬を飲んで1日で回復した」という表現には問題がある。おそらく、1日で腹痛などの症状が改善したという意味だろう。もし、本当に胃潰瘍なら、医療機関を受診し、内視鏡で治癒を確認するまでH2ブロッカーなどの抗潰瘍薬を服用しなければならない。最近は、ピロリ菌除菌療法も行われている。自己診断し、市販薬のH2ブロッカーだけで治そうという行為は危険である。