「主治医が明かす 長嶋とオシムのリハビリ」
「サンデー毎日」12月21日号の医療記事が面白い。
本日は、「主治医が明かす 長嶋とオシムのリハビリ」より、心に残るフレーズを紹介する。
# 順天堂浦安病院から初台リハビリテーション病院に転院してきた12月24日にオシム氏が語った言葉。
「移籍はサッカー人生にとってつきものだからな」
転院を渋る患者や家族に対し、「オシム氏がこう言っていましたよ」と使うと効果的。
# オシム氏の症状に対して石川医師が語った言葉
初台リハビリテーション病院では、クロアチア語が母国語でも言語療法が提供できると言っているのと同じ。なお、担当理学療法士は片言ながらクロアチア語で会話ができるようになったとのこと。
# 訓練時の各部位の疼痛に対する治療が奏功した時にオシム氏がリハスタッフに語った言葉
「こんなに痛みが消えてしまうとは。この病院は真のプロ集団だ」
初台リハビリテーション病院は、回復期リハビリテーション病棟における鹿島アントラーズ。
# 「時間外」も一人でリハビリテーションを行った長島氏の言葉
「自己トレーニング(自分で行うリハビリ)を1日休むと3日分後退する」
プロスポーツ選手は継続したトレーニングの重要性がよくわかっている。ただ、長嶋氏も弱音を吐くことがある。
「おれも人間だから休みたい。1日だけ休みをくれませんか?」
# オシム氏と長嶋氏のリハビリを踏まえて、石川医師が語った言葉
「リハビリする際には、「病人」感覚ではダメ。ガンガンやることが大事です。長嶋さんも『リハビリは嘘をつかない』と話していますが、それが『闘うリハビリ』なのです」
「運動していた患者は回復が早い。日頃から運動しておくこと。」とも述べている。逆も真なり。脳卒中になる前から要介護状態で寝てばかりいた方は、なかなか運動療法に乗らず、「寝ていたい」と訴え、治療に難渋する。
# オシム氏の退院時に妻のアシムさんがおこなったあいさつ
「これからは日本サッカー界のために働かせます」
アシムさんは、ボスニア・ヘルツェゴビナの内戦をくぐりぬけた女傑である。この夫にして、この妻あり。
# サッカー界への復帰に関して石川医師が述べた言葉
「サッカー監督には十分復帰可能です。ぜひ、挑戦してほしいですね」
リハビリテーションの究極の目標は、社会復帰を果たし、自らの能力を最大限に発揮すること。サッカー界の至宝、オシム氏がどのような形で監督業に戻るのか、今から楽しみである。
最後に、記事にも引用されているhttp://www.kyobunkwan.jp/jbooks/shop/23_1878.html、「ホイッスルまでは手を抜かない。生きることも同じだ」より、オシム氏の復帰への意欲を語った言葉を紹介する。
リハビリはこれからも続ける。だって、ベンチで倒れるわけにはいかないだろう。それは、エレガントではないからね。