介護施設の火災で死者ゼロ

 河北新報1階居室ベッドが火元? 仙台・介護施設火災より。

1階居室ベッドが火元? 仙台・介護施設火災


 仙台市若林区下飯田の複合型介護施設「六郷の杜」で13日未明、入所者ら33人が負傷した火災で、仙台南署などが同日朝から実施した実況見分の結果、1階の男性入所者(78)の居室にあったベッド中央部の焼損が激しいことが分かった。南署は、男性から話を聞くなどして出火原因の特定を進めている。


 調べでは、男性の居室にはストーブやガス器具などの火気類はなかった。全焼した居室に加え、廊下や天井など計約35平方メートルが焼けた。南署は、何らかの火がベッドのマットレスに移り、部屋の天井や床に燃え広がったとみている。


 施設の運営会社「ケアミックス・ジャパン」の東海林和博社長(57)によると、男性は出火時、居室内で車いすに座っており、駆け付けた職員が救出した。ドアを開けた際、煙が居室から廊下に流れ出し、施設外部から窓ガラスを割って消火活動に当たったという。


 煙を吸い込み、気道熱傷や一酸化炭素中毒などで重症となった男女3人の入所者はいずれも1階にいた。施設は13日午前から、焼損がなかった2階に入所者を受け入れ始めた。


 六郷の杜は2003年8月に開設。1階はショートステイ用、2階は有料老人ホーム用の居室が計40室あり、出火時は入所者39人と職員3人がいた。


2008年11月14日金曜日


 正直、深夜の火災で死者ゼロに済んだということは不幸中の幸いである。職員3人で、2階も含め39人もの入所者を見ている中で、全員避難させることができた。気道熱傷や一酸化炭素中毒などの重症者の状況が気がかりである。


 以前、長崎のグループホーム火災で死者が出たとき、介護施設の防災体制が大問題となった。*1今後、高齢社会を深刻化する中、グループホームや複合型介護施設など小規模の居住施設で暮らす要介護者が増えていく。夜勤体制など職員が少ない時間帯にどのような防災体制を組むか、各施設とも頭を痛めていることだろう。

*1:日本介護新聞(2006年1月16日)、長崎グループホーム火災の教訓生かせ参照。