後期高齢者にのしかかる過大な保険料負担

 北海道新聞負担試算根拠あいまい 後期高齢者医療 対象、国保加入の5割弱、より。

負担試算根拠あいまい 後期高齢者医療 対象、国保加入の5割弱(05/09 08:28)


 七十五歳以上を対象に導入された後期高齢者医療制度長寿医療制度)で厚生労働省が、全国平均では保険料負担が軽減されるとして公表していた試算の根拠は、国民健康保険国保)加入世帯の五割弱を対象としていたにすぎないことが、八日の民主党の会合で同省の説明によって明らかになった。


 七十五歳以上の高齢者が従来加入していた国保は算定方式が三つあり、運営主体の市区町村が選択。厚労省は四月からの新制度移行に伴い、約八割の市区町村が採用している、対象世帯の保有資産も保険料の算定基準に加える「資産割り」を含む方式で保険料の比較を試算した。


 その結果、「単純比較は難しい」としながらも《1》基礎年金受給だけの夫婦は年額計四万円から二万五千円に一万五千円減《2》平均的な厚生年金受給の夫婦は十一万三百円から十万三千百円に七千二百円減−などと算出。同省のホームページ(HP)でも「全国平均」として紹介している。


 しかし、東京都内など人口の多い地域のほとんどはこの方式を採用していないため、算定の基礎になった世帯数は二〇〇五年度現在約47%にとどまる。他の方式に比べ低所得者世帯の従来の保険料が高くなる傾向もあり、「低所得者は負担減」としていた政府の説明が、実態を正確に反映していないことは否定できなくなった。


 また、試算は市区町村が独自で行ってきた補助などを考慮していないため、この方式を採用している自治体でも保険料が増える事例が相次いでいる。


 福田康夫首相は次回の年金天引きが行われる六月十三日までに保険料の実態調査を指示した。しかし、同省の江利川毅事務次官は八日の記者会見で「標準的なパターンを調べる」と述べ、部分的な調査にとどまるとの認識を表明。正確な負担変化の全容は把握し切れないとみられ、民主党など野党側は、試算根拠の薄弱さとともにさらに批判を強めそうだ。


 続いて、朝日新聞75歳以上の保険料、7年後4割増 新高齢者医療制度より。

75歳以上の保険料、7年後4割増 新高齢者医療制度
2008年05月08日


 75歳以上が対象の後期高齢者医療制度で、08年度から15年度の7年で本人が負担する保険料が平均で約4割上がることが、厚生労働省の試算で分かった。保険の運営にかかる事務費用などを除いた試算で、08年度は年額6.1万円だが、7年後には39%増の8.5万円になる。


 8日の民主党の会合で厚労省が、06年時点での試算結果を示した。


 新制度では、保険にかかる費用の1割を75歳以上の保険料、4割を現役世代からの支援金、5割を税金で賄うが、今後高齢化が進行すれば、現役世代1人当たりの負担が過大になりかねない。このため法律で2年ごとの負担割合の改定が規定され、試算では高齢者の負担率を15年度には10.8%まで引き上げ、現役世代の分をその分下げる見通しだ。


 試算では、75歳未満が加入する市区町村の国民健康保険の保険料は約2割の上昇にとどまる。年額7.9万円から23%増の9.7万円となる。


 厚労省は、新制度の保険料の伸びが75歳未満よりも大きい理由として、高齢者の1人当たり医療費の増加率の見通しが年3.2%と、75歳未満(2.1%)を上回っていることを挙げる。


 後期高齢者医療制度の保険料問題については、後期高齢者医療制度 保険料 国保より上がるで取りあげている。そもそも、制度導入で大半の後期高齢者の保険料が下がるなど、政府首脳や厚労省幹部は本当に信じていたのか。詐欺師まがいの手法と言われても仕方がないだろう。しかも、2年毎の改定で保険料率を上げる規定まで設けているとのこと。要介護者増加とともに、介護保険料も引上げられることは間違いない。後期高齢者医療制度介護保険制度の保険料引上げや医療費と利用料負担増にて、経済的困難を抱える高齢者は長生きすることが不可能となる。