出口調査 48%が後期高齢者医療制度「廃止」

 中国新聞年金・暫定税率など「3点セット」奏功 平岡氏勝利、より。

年金・暫定税率など「3点セット」奏功 平岡氏勝利 '08/4/27


 自民、民主両党の総力戦となった衆院山口2区補選で、民主前職の平岡秀夫氏(54)が自民新人の山本繁太郎氏(59)を破った要因は何か。中国新聞防長本社が二十七日実施した出口調査(六百三十八人回答)によると、年金、後期高齢者医療制度長寿医療制度)、ガソリン税暫定税率の「三点セット」を争点にする一貫した戦術が、民意をつかんだことがうかがえる。


 勝敗を象徴したのが、投票者の23%を占める無党派層の動向だった。平岡氏は67%の支持を集めて山本氏の32%を35ポイント上回り、「風」を味方につけたとみられる。


 支持政党別では、与野党対決の構図がくっきり。平岡氏は民主支持層の97%を固め、推薦した社民支持層も取り込んだ。候補擁立を見送り「自主投票」とした共産支持層からも支持を得た。


 一方、山本氏は自民支持層の九割を固めたものの、一割が平岡氏に流れた。公明支持層は九割の支持を集めた。


■争点

 投票先を決める上で重視した政策・課題を八項目から選んでもらったところ、最多は「年金・後期高齢者医療制度問題」で29%だった。「ガソリン税暫定税率の是非」の22%、「景気・経済対策」の12%が続いた。


 暮らしに直結する国政課題に関心が集まり、民主陣営の「争点三点セット」が上位と付合。「年金・新医療制度」を挙げた70%、「ガソリン税」の74%が平岡氏に投票したと回答した。「景気・経済対策」では、75%が山本氏に投票した。


 選挙終盤戦で最大の争点に浮上した新医療制度では、48%が「廃止」。注目されるガソリン税暫定税率では「元に戻さない」が36%、「元に戻して一般財源化」「元に戻して道路財源に充当」を合わせて43%ときっこうした。


■年代・世代別

 米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転問題へも依然として関心が高かった。「反対」は45%で平岡氏への投票が八割弱、「賛成」は20%で山本氏に七割。ただ「どちらともいえない」が34%で両氏に投票が分かれ、問題の複雑さを浮き彫りにした。


 投票先を決める上で最も重視したものは、半分以上が「政策」と答え、うち七割が平岡氏へ投票。山本氏へ投票した人は「政策」の次に「国とのパイプ」を挙げた。


 年代別では、平岡氏が30歳代以外のすべての世代で支持を集め、四十代、五十代で厚かった。性別では女性の支持は両氏が五分。男性は平岡氏に六割が集まった。(山口2区補選取材班)


 続いて、朝日新聞補選敗因は「後期高齢者」…でも制度見直しせず 町村氏、より。

補選敗因は「後期高齢者」…でも制度見直しせず 町村氏
2008年04月28日12時19分


 町村官房長官は28日午前の記者会見で、27日の衆院山口2区補選で敗れた原因について、「後期高齢者医療制度について、高齢者の信頼を失った。事前の説明が足りなかったことが直撃した」との認識を示した。


 一方、町村氏は「若い方々の負担を食い止めるために、この仕組みをつくった。仕組みそのものにおかしい点はなく、どなたが政権にあっても同じことを考えると思う」と述べ、制度を見直す考えはないことを強調した。


 出口調査も、官房長官も、敗因は後期高齢者医療制度と認めている。さすがに、これだけはっきり有権者にNOを突きつけられたら、後期高齢者医療制度の見直しを考えざるをえないだろう。後期高齢者医療制度固執する限り、支持率は低下する一方となる。山口2区補選は、自公政治の終わりの始まりとなる。