後期高齢者総合評価加算と後期高齢者退院調整加算

 A240-00 後期高齢者総合評価加算(50点)とA241-00 後期高齢者退院調整加算(100点)について、記載する。両者とも、今回新規に設けられた項目である。両者の本質は、通知の冒頭に記載されている。

A240 後期高齢者総合評価加算
(1) 後期高齢者である患者に対し、入院当初から退院後にどのような生活を送るかということを念頭に置いた医療を行うことは特に重要なことから、後期高齢者の生活に影響する身体機能等について総合的に評価を行い、入院中の診療や適切な退院調整に活用する取組みを評価するものである。

A241 後期高齢者退院調整加算
 入院中の後期高齢者について、適切な退院先に退院できるよう、医療機関全体として退院困難な要因を有する患者を抽出する体制を整備し、その上で退院困難な要因を有する後期高齢者に対し退院支援計画を策定し、退院調整を行う取組みを評価する。


 後期高齢者総合評価加算の要件は後期高齢者診療料と酷似している。「関係学会等より示されているガイドラインに沿った評価が適切に実施されるよう十分留意すること。」、「後期高齢者の診療に資する新しい知見等に関する研修を受けるよう努めること。」という規定がある。
 なお、後期高齢者退院調整加算とは別に、A238 退院調整加算: 退院支援計画加算(100点)、退院加算(100点、300点)という項目も新設された。


 後期高齢者総合評価加算と後期高齢者退院調整加算は、後期高齢者診療料、後期高齢者外来患者緊急入院加算、後期高齢者外来継続指導料と密接な関係を持つ。下記のような流れとなる。


診療所: 後期高齢者診療料
連携病院:後期高齢者外来患者緊急入院加算(入院時)、後期高齢者総合評価加算(入院中1回)、後期高齢者退院調整加算(退院時)
診療所: 後期高齢者外来継続指導料(退院後初回受診時)、後期高齢者診療料


 在院期間を短縮し、在宅療養に戻すという国是達成を目指している。しかし、面倒な手続きを求められているにも係らず、後期高齢者総合評価加算(50点)と後期高齢者退院調整加算(100点)という点数設定は、医療機関にとって魅力的なものに映ると考えているのだろうか?特に、後期高齢者総合評価加算(50点)に関しては、医師からは見向きもされないおそれが高い。