"入山料"取る姥捨て山

 CBニュース、後期医療制度「"入山料"取る姥捨て山」より引用する。

 4月1日から実施される「後期高齢者医療制度」の中止・撤回を求める「3・23東京大集会」(後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める東京連絡会主催)が3月23日、東京都三鷹市井の頭公園で開かれた。医療・介護関係や高齢者団体などから約1万2千人が参加。東京都の62区市町村議会の8割近い49議会で同制度の中止・撤回を求める意見書が採択されている状況などを踏まえ、「年齢で医療を差別するという世界に類を見ない悪法を即時に、政府・与党に中止・撤回させる」ことを確認した。


 同制度は、75歳以上の国民が加入を義務付けられるほか、生活保護世帯を除き、子どもの扶養家族となっている人や寝たきり等で障害認定を受けた65歳〜74歳も対象となる。これまでは被扶養者として保険料を払っていなかった人も制度の対象となった時点で、75歳以上なら後期高齢者医療、74歳以下なら国民健康保険等に加入し保険料を支払う。
 保険料は介護保険料とともに、毎月の年金が一定額以上あれば天引きされ、医療内容も病名によって1か月の医療費が決められる「包括制」に。窓口負担は原則として掛かった医療費の1割だが、現役並みの所得があれば3割負担となる。保険料を滞納すると、国保と同様に保険証が取り上げられ「資格証明書」が発行されるなどの制裁がある。


 大集会では、八王子市の老人会からの出席者が「これまでは扶養家族となっていても、75歳以上になると独立して保険料を払わなければならなくなることには納得がいかない。1か月当たりの医療費が決められ、医者に掛かることを控えることに追いやられる。まだ制度のひどさを分かっていない人も多く、仲間を通じて周知させていきたい。撤回しかない」と主張。また、障碍(がい)者団体の発言者も「差別医療は許せない」と訴えた。
 さらに、現場の医師は「年齢によって医療を切り離す根拠は医学的に全くない。あるのは医療費の削減だけ」と批判。「例えば、お金が掛かるからという理由で75歳以上の国民を別の選挙制度、いわゆる選挙権に制限を加えることにしたら、どういうことになるだろうか。政権が吹っ飛ぶほどの大騒動になるはず。しかし、このような悪しき制度が医療で起きているということだ」などと、制度を打破する必然性を強調した。


 同制度をめぐっては、民主、共産、社民、国民新の野党4党が共同で後期高齢者を廃止する法案を国会に提出。このような対応を踏まえ、大集会では4野党の国会議員と賛同する無所属議員が連帯のあいさつを行った。
 民主党議員は「後期高齢者という名前そのものが問題で、これ自体を廃止すべき」と指摘した。野党が提出した法案については「与党(自民・公明)は全く審議を進める気配がない」と批判。政府・与党が制度の?根拠?としている財源の問題に対しては「『埋蔵金』という特別会計がある。これを見直せば財源はある。今、(道路特定財源などにみられる)道路か命かの闘いになっている」などと訴えた。共産党議員は「75歳以上の特徴として、国は治療が長期化するとか、いずれ死は避けられないなどと言っているが、自分の親にこのようなことを言えるだろうか。この制度は(保険料という)入山料を取る姥(うば)捨て山だ。日本はかつて長寿を祝う社会だった。高齢者が肩身の狭い社会にしてはダメだ」と強調した。


 続いて、大集会では「昨年の参院選で、悪政に怒った国民が自民・公明を歴史的な大敗北に追いやり、慌てた政府与党が(制度の)一部の見直しをしたが、4月実施を強行しようとしている。命は平等であり、年齢の差別は許せない。野党が提出した廃止法案の早期成立を求める」などとする決議を採択した。


 大集会を主催した連絡会によると、3月7日現在、制度の中止・撤回を求める署名は全国で500万筆を超え、意見書は全国1,800議会の3割近い530議会に達している。東京では62区市町村議会の約79%に当たる49議会が採択している。

 "入山料"取る姥捨て山。 寸鉄人を刺す言葉である。この一言で、後期高齢者医療制度の核心をついた。患者さんへの説明時に、使わせてもらうことにする。