東北地方にもっとリハビリテーション病院を


 河北新報ニュースより、宮城県内初リハビリ病院 富谷に完成、来月オープン(2008年03月11日火曜日)という記事が配信された。

宮城県内初リハビリ病院 富谷に完成、来月オープン


 仙台市の医療法人「脳健会」(鈴木幹男理事長)が4月に開設する宮城県内初のリハビリテーション科専門病院「仙台リハビリテーション病院」が11日、富谷町成田に完成した。


 新病院は敷地面積約9900平方メートル、延べ床面積約5300平方メートルで4階建て。脳卒中などの脳血管疾患の患者を対象に運動機能の回復を図る「回復期リハビリ病棟」を設けた。ベッド数は82床で、リハビリ科に加え、神経内科と内科を担う。


 デイケアルームや総合リハビリ室、機械浴室を備え、患者の体のバランス感覚を測定する「重心動揺計」といったリハビリ器具も配備した。
 スタッフは、脳神経外科や外科の医師3人と、患者のリハビリを支援する理学療法士作業療法士言語聴覚士を計21人配置する。


 医療制度改革の一環で、リハビリは2006年4月から保険診療で受けられる日数が制限された。治療を途中で打ち切られる「リハビリ難民」が出るなど、専門病院を求める声が強まっている。
 山崎匡病院長は「高齢化が進み、リハビリの社会的ニーズが高まっている。退院してもリハビリを続けられるよう継続性のあるケアを提供したい」と話している。


 富谷町は仙台市ベッドタウンとなっているが、仙台市ではない。にも関わらず、「仙台リハビリテーション病院」という名称を採用した。仙台市リハビリテーション医療の中心をになう宣言と受け取れる。東京にないが「東京ディズニーランド」という名称を使っているところと同じような意気込みを感じる。


 東北地方は、リハビリテーション病院が極めて少ない。回復期リハビリテーション病棟ひとつとってみても、人口10万人あたり50床という目標に遠く及ばない。宮城県は30床未満である。最も少ない福島県になると20床をわずかに超える程度である。空白地域となっている二次医療権も少なくない。リハビリテーション病院が増え、お互いに切磋琢磨することが、東北地方のリハビリテーション医療の発展につながる。リハビリテーション医療に吹く逆風の中、「仙台リハビリテーション病院」開設にこぎつけた関係者の努力に敬意を表する。