2006年度介護給付費の状況

 2006年度介護保険改定の影響について調べたところ、興味あるホームページを見つけた。社会保障ガイド2008より、 介護給付費の状況(2006年度分) を紹介する。


# 介護給付費の推移

年度 介護給付費 前年度比
2006年度 6兆4,345億円 0.7%増
2005年度 6兆3,887億円 3.4%増
2004年度 6兆1,782億円 8.8%増
2003年度 5兆6,795億円 9.4%増

 前年度比をみると、2006年度介護給付費の伸び率が著しく抑制されていることがわかる。内訳をみてみるとさらに興味深いことが分かる。


# 居宅サービス費の推移

年度 居宅サービス 前年度比
2006年度 2兆9,653億円 7.5%減
2005年度 3兆2,071億円 8.8%増
2004年度 2兆9,473億円 14.2%増
2003年度 2兆5,799億円 20.0%増

 サービスごとに見てみると、福祉用具貸与10.4%減、訪問介護4.0%減が目立つ。通所リハが1.0%減であるのに対し、通所介護は0.9%増と明暗を分けている。一方、訪問リハは52.8%増、特定施設入所者生活介護44.1%増と大幅に増加している。


# 施設サービス費の推移

年度 施設サービス 前年度比
2006年度 3兆0,429億円 4.4%減
2005年度 3兆1,816億円 1.5%減
2004年度 3兆2,309億円 4.2%増
2003年度 3兆0,996億円 1.9%増

 施設ごとにみてみると、介護療養型医療施設13.4%減、介護老人保健施設4.8%減が目立つ。介護老人福祉施設は0.2%増とわずかながら増えている。


# 地域密着型サービス費
 2006年度介護給付費のうち、地域密着型サービスは4,264億円6.6%を占める。そのうち、認知症対応型共同生活介護は3,685億円を占め前年度比22.9%増となっている。


 「持続可能な制度」を目指した2006年度介護保険制度改定は、厚労省の期待以上の結果となったといえる。介護サービス給付費は頭打ちとなり、地域密着型サービス以外は、居宅サービスも施設サービスも総額として減少している。
 しかし、高齢化に伴い、受給者数増加が必至にも関わらず、介護給付費が伸び悩むということは異常である。特に、福祉用具事業者、訪問介護事業者、介護療養病床、老健施設の悲鳴が聞こえてくる気がしてならない。