異例のリハビリテーション診療報酬改定(2007年)

 異例の診療報酬改定が2007年に実施された。その内容は大きく分けると、以下の3点となる。

 このうち、レセプト審査強化については、以前、レセプト審査強化のおそれで記載した。他の2つを中心に記述する。

# リハビリテーション医学管理料

心大血管 脳血管疾患等 運動器 呼吸器
リハビリテーション料(I)医学管理料  440点  440点 340点 340点
リハビリテーション料(II)医学管理料  260点  260点 220点 220点

 上記医学管理料は、月1回(月に4日以上リハビリテーションを行った場合には月2回)に限り算定可となった。例えば、脳血管疾患等Iならば、最大880点算定可能となる。本点数は逓減後の疾患別リハビリテーション料の4回分に同等であり、きわめて低水準である。


# 疾患別リハビリテーション料逓減制導入

心大血管 脳血管疾患等 運動器 呼吸器
リハビリテーション料(I)  250点  250点  180点  180点
同(I)逓減後  210点  210点  150点  150点
リハビリテーション料(II)  100点  100点  80点  80点
同(II)逓減後  85点  85点  65点  65点
逓減開始日数  120日  140日  120日  80日
算定日数上限  150日  180日  150日  90日

 算定日数上限前に逓減開始日が設定された。このため、重症患者で長期にリハビリテーションを行う必要があっても、医療機関の経営的問題で打ち切られる可能性がかえって高まった。


 さらに、介護保険におけるリハビリテーション(通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション)を受けている場合には、医療保険でのリハビリテーション料が算定できなくなった。


 厚労省は、異例のリハビリテーション診療報酬改定という不名誉な事態を逆に診療報酬抑制の機会として利用した。必要な患者にリハビリテーションサービスを提供するために、診療現場が苦悩する事態は全く変わらなかった。