今回の診療報酬改定において、回復期リハビリテーション病棟における栄養管理の推進が図られることになった。
2018年1月26日に開催された中医協総会の資料、個別改定項目(その1)総-1(PDF:1,709KB)の120〜124ページに、回復期リハビリテーション病棟入院料の評価体系の見直し、という項がある。具体的内容の3番目に、栄養管理の推進が取り上げらている。
[算定要件]
(1) リハビリテーション実施計画又はリハビリテーション総合実施計画の作成に当たっては、管理栄養士も参画し、患者の栄養状態を十分に踏まえた計画を作成すること。なおその際、リハビリテーション実施計画書又はリハビリテーション総合実施計画書における栄養関連項目(※)については、必ず記載すること。(※) リハビリテーション実施計画書及びリハビリテーション総合実施計画書に、栄養状態等の記入欄を追加。
(2) 管理栄養士を含む医師、看護師その他医療従事者が、入棟時の患者の栄養状態の確認、当該患者の栄養状態の定期的な評価及び計画の見直しを、共同して行うこと。
(3) 栄養障害の状態にある患者、栄養管理をしなければ栄養障害の状態になることが見込まれる患者その他の重点的な栄養管理が必要な患者については、栄養状態に関する再評価を週1回以上行うこと。
2017年10月25日に行われた中医協で、個別事項(その5)について(PDF:2,048KB)が提出されている。回復期リハビリテーション病棟における栄養管理に関係する資料は以下のとおりである。
この後、回復期リハビリテーション病棟における栄養管理の例をはさんで、次のような成果が提示されている。
最後に、管理栄養士(病棟専従)数が0.3人で、専従配置率が22.2%に過ぎないことが示されている。
今回の改定では、「専従」ではなく、「専任」配置となっており、しかも、努力規定にとどめている。明確に変わるのは、リハビリテーション総合実施計画書の書式である。また、入院栄養食事指導料も包括範囲から除外される。
経営的なインパクトは決して大きくないが、小さく産んで大きく育てる、という厚労省の志向を考えると、数年後には管理栄養士の「専従」ないし「専任」配置は義務づけられるのではないかと推測する。
リハビリテーション栄養の普及につながる、歓迎すべき改定である。