維持期リハビリテーション減算規定の解釈

 2016年3月4日、平成28年度診療報酬改定についてが更新され、告示・省令、通知が示された。膨大な資料のなかで重要と思われるものは、平成28年度診療報酬改定説明会(平成28年3月4日開催)資料等について内にある、平成28年度診療報酬改定説明(医科) III-1 通知その02III-1 通知その05、そして、III-1 通知その06である。
 今回は、要介護被保険者の維持期リハビリテーション介護保険への移行等について検討する。


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 中医協答申の脳血管疾患等リハビリテーション料のところを見ると、次のようになっている。

注4 注1本文の規定にかかわらず、注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者に対して、必要があってそれぞれ発症、手術若しくは急性増悪又は最初に診断された日から180日を超えてリハビリテーションを行った場合は、1月13単位に限り、算定できるものとする。この場合において、当該患者が要介護被保険者等である場合には、注1に規定する施設基準に係る区分に従い、次に掲げる点数を算定する。

イ 脳血管疾患等リハビリテーション料(I)(1単位)  147点
ロ 脳血管疾患等リハビリテーション料(II) (1単位)  120点
ハ 脳血管疾患等リハビリテーション料(III) (1単位)  60点


注5 注4の場合において、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関以外の保険医療機関が、入院中の患者以外の患者 (要介護被保険者等に限る。)に対して注4に規定するリハビリテーションを行った場合には、所定点数の100分の80に相当する点数により算定する。


注6 注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者(要介護被保険者等に限る。)に対し、それぞれ発症、手術若しくは急性増悪又は最初に診断された日から60日を経過した後に、引き続きリハビリテーションを実施する場合において、過去3月以内にH003-4に掲げる目標設定等支援・管理料を算定していない場合には、所定点数の100分の90に相当する点数により算定する。


 「注4」の数値は、本則の100分の60に相当する。「注6」の経過日数は算定日数上限の3分の1に設定されている。例えば、「注6」の経過日数の数値は、廃用症候群リハビリテーション料では40日、運動器リハビリテーション料では50日となっている。


 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について、という通知を見ると次のような記載がある。

(15) 「注6」における「所定点数」とは、「注1」から「注5」までを適用して算出した点数である。


 「注1」は施設基準と算定日数上限、「注2」が早期リハビリテーション加算、「注3」が初期加算の説明である。したがって、「注6」に関する規定とは、「注4」、「注5」を適用したものとなる。介護保険リハビリテーションの実績がなく、かつ、過去3月以内に目標設定等・管理料を算定していない場合には、本則の60/100×80/100×90/100=43.2/100となる。



 経過措置は、上記のとおりとなっている。

29 維持期リハビリテーションの経過措置の延長

  • 要介護被保険者等であって、入院中の患者以外の者に対する維持期リハビリテーションは、原則として平成30年3月31日までに介護保険へ移行するものとする。

30 要介護被保険者等に対するリハビリテー ション


 維持期リハビリテーションの経過措置の延長は、本来なら平成28年3月31日までだった。2年間の延長がされたが、診療報酬の締め付けが厳しくなり、継続はかなり困難となっている。
 一方、目標設定等支援・管理料に伴う減算については、半年間の猶予がある。漏れなく算定できるようにシステム構築を急ぐ必要がある。