社会保障と税の一体改革に向けた「法制上の措置」を閣議決定

 「社会保障制度改革推進法第4条の規定に基づく「法制上の措置」の骨子について」が閣議決定された。

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 社会保障と税の一体改革に、「社会保障制度改革推進法第4条の規定に基づく「法制上の措置」の骨子について」を閣議決定しました。(H25.8.21)がアップされている。
 冒頭に次のような文章がある。

 社会保障制度改革推進法(平成24 年法律第64 号)第4条の規定に基づく「法制上の措置」に関し、
(1)同法第2条の基本的な考え方にのっとり、かつ、同法第2章に定める基本方針に基づき、
(2)自らの生活を自ら又は家族相互の助け合いによって支える自助・自立を基本とし、これを相互扶助と連帯の精神に基づき助け合う共助によって補完し、その上で自助や共助では対応できない困窮等の状況にある者に対しては公助によって生活を保障するという考え方を基本に、
 受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度の確立を図るため講ずべき改革(以下「社会保障制度改革」という。)の推進に関する骨子について、社会保障制度改革国民会議の審議の結果等を踏まえ、次のとおり定める。
 政府は、本骨子に基づき、社会保障制度改革推進法第4条の規定に基づく「法制上の措置」として、社会保障制度改革の全体像及び進め方を明らかにする法律案を速やかに策定し、次期国会冒頭に提出する。


 社会保障改革に、社会保障制度改革推進法案(衆法)(平成24年6月20日提出、8月10日成立)の提出時法律案がある。社会保障制度改革推進法第2条第1項は次のようになっている。

 自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと。


 自助と共助を基本として、困窮状態にある者のみ公助で対応するという内容であり、社会保障の枠組を大幅に制限するという考え方に貫かれている。
 関連エントリーで紹介した「社会保障制度改革国民会議報告書の各論部分」の方を見ていただくとより具体的な内容がわかるが、負担増のオンパレードである。生活保護受給者に対するバッシングも著しくなっている。最後のセーフティネットが崩れた状態で、自助・共助の網からもれた者を救い上げることができるのか疑問をもつ。
 2014年度診療報酬改定、2015年度介護報酬改定のいずれも社会保障制度改革推進法の具体化に連動した内容になると予測する。経済的な理由で医療保険介護保険を利用できない方は現在でも少なくない。社会保障制度の形骸化がいっそう進むことにならないか大きな不安を感じる。