小樽雪あかりの路、点灯前に転倒

 地域リハビリテーションの話をしに札幌に行ったついでに、小樽雪あかりの路 official websiteはリニューアルしましたを見てきた。2011年11月末に函館を訪れたことはあるが、厳冬の時期に北海道旅行をするのは初めてだった。十分注意をしていたつもりだったが、見事に転倒してしまった。


 円安になったせいか、外国からの観光客が多かった。町歩きをしている観光客の半分が中国語を話していた。中国本土から来ているのか、それとも台湾や香港からなのかはわからないが、雪景色の北海道は魅力的な場所のようで、あちこちで記念写真を撮っている姿を見かけた。堺町通りには、ご覧のような雪だるまが飾られており、人気を呼んでいた。




 お土産を買いながら、雪あかりの路の点灯が始まる午後5時を待った。街が薄暮に包まれる中、酒瓶を持った雪だるまが私の気をひいた。まず、写真を一枚とり、角度を変えて写真を撮り直そうとした。その時、不意に足払いをくらったように身体が投げ出され、左半身を下に横倒しになった。下はカチカチのアイスバーン。左肘から前腕にかけて激痛が走った。骨折をしていたらまずいなという思いが頭をよぎった。


 上が、私の注意力を奪った元凶の写真である。
 痛みをこらえながら、近くの店に入り、気持ちを落ち着けて可動域のチェックや叩打痛の有無を調べた。肘は曲がる。指折りもできる。前腕も上腕も叩いて痛いところはない。骨折はしていない。打撲程度だろう。それにしても痛みがなかなかひかない。力を入れると肘関節の橈側から前腕にかけて激痛が起こる。筋肉のダメージかななどと考えた。しかし、ここまで来たから写真を撮らずに帰れるかと思いもあり、転倒後もそろりそろりと注意しながら歩き続けた。
 小樽運河には、幻想的な風景が広がっていた。撮影ポイントには三脚を据えたカメラマンがあふれていた。ハートのオブジェ前でお互いに写真を撮りあっている2人連れも少なくない。考えてみれば、前日はバレンタインデーだった。




 こちらは、日本銀行小樽支店と手宮線会場の情景である。





 本当なら、もう1時間くらいはのんびりと会場内を歩き回るつもりだったが、痛みがなかなかひかないこともあり、午後6時過ぎのエアポートで宿泊地の札幌に向かった。
 翌日、お招きいただいた方に転倒し怪我をした話をしたところ、皆同じような経験をしていることがわかった。骨折や捻挫は数知れずという状態。交通量も多い札幌市内は、ロードヒーティングをしている部分とそうではない場所との間に大きな段差がある。アイスバーンも凸凹している。体重のかけ具合にコツが必要である。北国出身で冬道のプロフェッショナルと自覚していたつもりだが、明らかに北海道の方が難易度が高い。札幌雪まつりの時期には、転倒し大腿骨頚部骨折を起こす内地からの観光客が増えるという話を聞いたことがあるが、さもありなんと思った。
 昨日、仙台に帰ってきた。痛みは日に日に薄らいできてはいるが、まだ持続している。袖をまくった白衣から痣のある左腕を出しながら、診療を続けている。