福島県では国保一部負担金免除打ち切りへ

 岩手県宮城県では全ての自治体で自治国保の一部負担金が来年3月末まで免除となる。一方、福島県では、原発事故警戒区域以外の多くの自治体で打ち切りになることになった。

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 東日本大震災で、国民健康保険に加入する一部被災者を対象としていた国の医療費全額負担措置が、東京電力福島第1原発警戒区域などを除き、9月30日で終了する。10月以降、自治体側が金銭的な負担をして同措置を実質的に継続する市町村には、国が来年3月末までの期限付きで免除額の8割を補助するが、福島県では26市町村が財源不足のため、免除打ち切りを決めた。岩手、宮城両県では全市町村が免除を継続する方針で、福島の被災者からは「同じ被災地なのに不公平」との声が上がっている。

時事ドットコム:医療費免除、福島打ち切りへ=26市町村、国負担終了で−被災3県、岩手・宮城継続 2012年9月29日


 福島県国民健康保険団体連合会 トップページのお知らせ2012/09/28  医療機関等を受診された被災者の方々へ(厚生労働省からのお知らせ)には、「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う警戒区域等に該当する、広野町楢葉町富岡町川内村大熊町双葉町浪江町葛尾村飯館村では、窓口負担の免除を受けることができる期限は、平成25年2月28日まで」、という趣旨の記載がある。


 http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/f24bd86edc73c942685e7b0a93bfd2c1/をみても、次のような記載がある。

 医療費の一部負担金や介護サービスの利用料については、岩手県宮城県の全市町村が全額免除を2013年3月末まで続ける一方で、福島県内では福島市いわき市郡山市など26市町村が9月末で免除措置を打ち切る。


 国保では保険料の滞納が続いた場合、医療機関の窓口でいったん医療費の全額(10割)を支払わなければならないことから、必要な医療が受けられなくなる事態も危惧される。一部負担金免除打ち切りも、避難生活で家計が火の車の住民にとっては大きな問題だ。


 大災害時には、生活環境の激変、収入の減少などの社会的因子や、ストレス、うつ、PTSDなどの精神心理的因子などが原因となり、健康状況が悪化することが知られている。そもそも、日本の医療費窓口負担は医療費抑制政策の影響できわめて高いものとなっている。受診抑制により公的医療費の伸びを抑えることが意図されている。生活苦に悩む被災者が受診抑制をやむなくされた時、手遅れになってから病院に運び込まれる患者が増加するのではないかと危惧される。
 医療費一部負担金免除の重要性を考え、岩手県宮城県では県の補助で一部負担金免除を継続した。同じことがなぜ福島県では実施しないのかが疑問に残る。ただし、医療費問題は政府の責任で手当てを行うものである。復興予算は公共事業などの箱ものだけに使うものではない。被災地の医療費や介護費に当ててこそ意味がある。