労災保険、片側上肢切断者に対する筋電電動義手支給へ

 第1回義肢等補装具専門家会議が、2012年1月11日に開催された。第1回義肢等補装具専門家会議資料 |厚生労働省の資料2「義肢等補装具専門家会議」の開催要綱(PDF)を見ると、開催目的、検討内容は次のとおりとなっている。

1.開催目的
 平成20年度より開始した筋電電動義手の研究用支給制度は、筋電電動義手の適正な支給の研究に資するため、1上肢を手関節以上で失った者(以下「片側上肢切断者」という。)に対し、筋電電動義手の装着訓練及び適合判定を医療機関において行った上で、筋電電動義手の購入に要した費用を研究用に支給し、支給事案の収集及び分析を行ってきたところである。今般、一定数の支給事案の収集ができたことから、片側上肢切断者に対する筋電電動義手の支給について検討する必要がある。
 また、現行の義肢等補装具費支給制度については、医学・技術の進歩により、既存の義肢等補装具の改良・改善がなされているため、実情を踏まえた見直しについて検討する必要がある。
 上記のような現状を踏まえ、医学的・専門的見地から、義肢等補装具費支給制度の見直しを行うために、義肢等補装具専門家会議を開催し、検討結果を取りまとめる。


2.検討内容
 労災保険における義肢等補装具費支給制度について検討する。


 資料3、義肢等補装具費支給制度の検討課題(案)(PDF)を見ると、検討されている項目は次のとおりである。

1.片側上肢切断者に対する筋電電動義手の支給について
 両上肢切断者に支給している筋電電動義手については、現在実施している「片側上肢切断者への研究用支給」の結果を踏まえ、支給対象者を片側上肢切断者へ拡大するかどうか検討する必要がある。


(以下、略)


 資料6、片側上肢切断者に対する筋電電動義手研究用支給研究の研究結果の概要(PDF)を見る限り、就労後の使用状況は良好である。今年3月まで専門家会議が開かれ、片側上肢切断者に対する筋電電動義手の労災保険からの支給が決定される予定である。
 筋電義手が、やっと日本でも一般化する。今回は労災保険だけだが、身体障害者福祉法への波及も期待できる。この間、リハビリテーション関係の学会や研究会で筋電義手の講演が増えてきた。当たり前のように筋電義手を処方できる日が来つつある。