PCATの機敏な活動

 日本プライマリ・ケア連合学会が、PCAT("Primary Care for All" Team)という活動をしていることを知った。

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 http://pcat.primary-care.or.jp/htdocs/?page_id=32をみると、次のような記載がある。

3月12日から13日にかけてメーリングリスト等による遠隔での理事会で災害派遣プロジェクトの実施を決議.
3月14日には東京の学会本部において第1回プロジェクト本部会議を開催.
本学会は過去において(3学会合併前も含めて)災害支援の経験もノウハウも皆無であり,全くの白紙の状態からのプロジェクト始動でありましたが,多くの方々のご協力とご支援をいただき,プロジェクト始動4日目の3月17日には第1陣を宮城県気仙沼市の大規模避難所の医療支援へと派遣いたしました.


 東日本大震災において様々な医療支援が行われた。様々な情報を集めてみると、外傷性救急を得意とするDMAT(Disaster Medical Assistance Team、災害派遣医療チーム)の活躍する場面が想定と異なりほとんどなく、内科的疾患への対応が中心となった。気仙沼で被災した開業医の村岡先生*1の講演を聞いたことがあるが、在宅中心に活動している各地の医療チームの応援が心強かったと述べている。日本プライマリ・ケア連合学会が主導したPCATの活動は時宜にかなったものである。それにしても、機動性の高さには驚かされる。
 我が身を振り返ってみると、日本におけるリハビリテーション関連団体の活動は、病院での医療が中心となっており、外来や介護分野での活動が相対的に遅れている。第一線分野で活動する姿が他の医療従事者からは見えにくくなっている。このため、初期の活動が立ち遅れてしまったのではないかという反省がある。
 生活を支え、再建するというリハビリテーション医療の本来の目的からすると、災害時を想定した準備を意識的に進める必要がある。PCATの活動は、かなりの部分でリハビリテーション医療とオーバーラップしており、参考にすべきであると考える。