がれき処理進まず、多賀城跡あやめまつり中止

 例年、この時期に開催されている多賀城跡あやめまつりが中止となった。理由は、駐車場の確保が困難なためとのこと。


 仙台市近郊にある多賀城市では、津波被害のため約662ha(市の面積の約33.7%)が浸水した。仙台から塩竈に至る幹線である産業道路国道45号線を走ると、未だに被災車両が放置されたままとなっている。大量のがれきが発生し、多賀城跡周辺の中央公園などに積み重なっている。


 災害廃棄物処理の基本方針【宮城県 H23.3.28】をみると、宮城県内において発生した災害廃棄物の量は,現時点で概ね 1,500 万トンから 1,800 万トンと推計されている。これは、県内で通常出される廃棄物の23年分に当たる。
 宮城県震災復興基本方針(素案)をみると、廃棄物の処理に関しては次のような方針になっている。

3.廃棄物の適正処理


 復旧期においては,津波被害により陸域・海域に発生した膨大な量の災害廃棄物の処理を迅速かつ適切に実施するため,市町村が自ら処理することが困難な場合は,県が代行して,災害廃棄物の処理を進めます。また,処理に係る期間については,1年以内に災害廃棄物を現場から一次仮置き場に撤去し,分別の上,おおむね3年以内に大規模な二次仮置き場に移動し一元的に処理します。


 あと2、3年は現在の仮置き場にがれきが置かれたままとなる。あやめまつりの苦悩はしばらく続くことになる。