被災地の医療確保に無関心な宮城県の態度

 東北関東大震災により、県内の医療機関がどのような被害を被ったかについて、宮城県医療整備課は全く把握していない。http://www.pref.miyagi.jp/iryou/H23jishin/iryoukikan.htmをみると、次のようなことを堂々と述べている。

5 医療機関の方へのお願い


 県では医療機関の被災状況、受診可否などについて情報の把握に努めておりますが、いまだに多数の医療機関の状況が把握できておりません。
 現状を管轄の保健所又は県医療整備課にお知らせください。


 ◆県医療整備課022−211−2614


 情報が途絶した現場では、電話をすることもインターネットを見ることもできない。携帯中継局の異常があれば、携帯電話も通じない。陸の孤島になる。津波で周囲を水に囲まれれば、救援を頼むこともできていない。
 記載されている情報も支離滅裂である。

塩釜市内における診療状況一覧(診療所を含む)


□主な医療機関の情報(塩釜)


 ◆塩竈市立病院(塩竈市)364-5521
   診療中


 ◆坂総合病院(塩竈市)365-5175
   受診可能


 ◆緑ヶ丘病院(塩竃市)362-5555
   再来のみに薬処方


 ◆赤石病院(塩竈市)362-8131
   診療中


 ◆宮城県立がんセンター(名取市)384-3151
   外来診療受付時間8:30〜11:00,診療内容 検査無し,投薬のみ


 ◆宮城県立精神医療センター(名取市)384-2236
   外来診療受付時間8:30〜11:30,13:00〜15:00
   診療内容 通常診療は行わず,投薬のみ

 
 ◆守病院(名取市)384-1211
   簡単な内科外来に対応


 仙台市の南隣にある名取市がいつのまにか塩竈市の項に含まれている。一方、塩竈市の隣にある多賀城市の仙塩病院が津波の被害に会い、孤立したまま入院患者が亡くなったことを県は公表していない。ライフラインが途絶し機能を停止した東北厚生年金病院、津波の中で孤立した南浜中央病院など多くの医療機関が県の支援を受けられない状態で苦難を強いられた。宮城県は自ら医療機関の情報収集をし、機能停止した医療機関の分を他の医療機関がどのように分担するか調整しようとしない。当法人の理事長がいくらかけあっても、それは医療機関同士で行うことと取り合おうとしない。この非常事態にも関わらず、宮城県は県民の命に責任を持つ姿勢を全く示そうとしていない。