11月30日に「龍馬伝」が終了した後、岩崎弥太郎の死因(2010年9月26日)というエントリーへのアクセスが急に増えています。エントリー内に追記の文書を書きましたので、引用します。
「岩崎弥太郎の死因」というエントリーのネタ元となった本を紹介します。
- 作者: 河合敦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/01/01
- メディア: 新書
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明治維新という乱世に生きた岩崎弥太郎の破天荒の生涯が描かれています。「龍馬伝」の後日談として読むには最適です。「龍馬伝」では冴えない役割だった弟弥之助が実は大物で、弥太郎の死後、海運業だけでなく、炭鉱業を初めとした多角的経営を成功させ、現在の三菱財閥を確立させていった過程もよくわかります。
本書に記載されている岩崎弥太郎の病状をまとめると、次のようになります。
- 明治14年に、胃を病み、一時静養をした。
- 明治17年6月より急速に食欲が減退した。
- 同年8月に、東大教授佐藤進医師の往診を受け、慢性胃カタルと診断された。
- 同年9月中旬、激しいめまいに襲われ、20日に昏倒し、長期療養することになった。その後、病状は悪化の一途をたどり、東大医学部のヘイデン教授などの治療を受けたが病状は回復の兆しを見せなかった。
- 同年11月11日、胃癌による胃管下口の狭窄がひどく、余命3、4ヶ月であることの告知が医師より家族になされた。
- 明治18年2月、胃液とともに多量の吐瀉物を吐き、激痛に悶絶した。モルヒネがたびたび注射された。
- 同年2月7日午後6時30分、息を引き取った。
胃癌末期の典型的な経過です。触診で腫瘤が触れ、初めて胃癌と診断されたようです。通過障害も顕著です。苦悶症状を浮かべた香川照之の迫真の演技が思い起こされます。