ニッカウヰスキー仙台工場宮城峡蒸留所

 連休中に、ニッカウヰスキー仙台工場宮城峡蒸留所に遊びに行った。



 仙台の奥座敷作並温泉へと向かう国道48号線沿いに、仙台工場がある。広瀬川と新川川(にっかわがわ)が出会う土地に、余市に続くニッカ第2の蒸留所として、1969年に作られた。なお、ニッカの名称は、最初の社名「大日本果汁株式会社」に由来する。新川川とは全く無関係ながら、この地に工場を建てると決めた時、創業者竹鶴政孝は運命的な出会いを感じたという。
 以前、患者会で訪れた時と比べ、関東方面からの自家用車が多いことに気づいた。おそらく、土日高速1,000円の影響だろう。仙台市内・松島方面と異なり、作並、定義山ニッカウヰスキー工場あたりの観光は、自家用車がないと移動は困難である。



 モルトウイスキーの製造工程にあわせ、30分間ほどの見学コースが組まれている。



 最初に訪れたのが、キルン塔である。宮城峡蒸留所のシンボルとなっている建物である。ピートを燃やし、麦芽を乾燥させる行程を行うところである。



 ピートである。北海道石狩の泥炭地から持ってきたものである。このピートがウイスキー独特の香りのもととなる。



 醗酵槽である。仕込み棟の中にある。麦汁に酵母を加え、醗酵させる。ここまでは、ビールなどの醸造酒を造る工程とほぼ同じである。



 醗酵液はポットスチルの中で加熱され、アルコール分が取り出される。竹鶴政孝の実家が造り酒屋ということもあり、ポットスチルにしめ縄が飾られている。



 余市工場で使われていた初期ポットスチルが戸外に展示されている。



 キルン塔の右側が、グレンウイスキーを造る方の蒸留棟(カフェ式連続式蒸留機)である。余市蒸留所はモルトしか造っていないため、宮城峡蒸留所のグレンウイスキーがニッカの全ブレンデッドウイスキーに使われていることになる。



 最後に貯蔵庫に向かった。



 冷やりとした空気の中に甘酸っぱい匂いが立ちこめている。中にいるだけで酔っぱらってしまいそうである。ウイスキーは樽の中で熟成される。最初は無色透明だったのが琥珀色に色づいてくる。毎年約2%ずつ蒸発していくが、これを天使の分け前というそうである。



 ところ狭しと樽が並べられている。ドンキーコングが喜びそうな場所である。



 貯蔵庫の出入り口から出る人影を撮った。真上の非常灯とあわせてみていただきたい。会心のショットと悦に入っていると、扉が閉められ閉じ込められそうになってしまった。