クモ膜下出血の再出血率は初日が最も高い

 木村拓也コーチのクモ膜下出血に関してエントリーを記載したところ、予想以上のアクセスがあった。早期発見がなぜ重要かについてエビデンスを示す。

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 日本脳卒中学会の中にある、6. 脳動脈瘤治療−保存的治療法など、6-1.保存的治療などの概略には次のような記載がある。

クモ膜下出血後の再出血率は発症初日が3〜4%で以降4週間は1〜2%/日という報告1)(IIa)、最初の1か月では20〜30%、3か月以降は3%/年という報告2)(IIb)がある。急性期の再出血には、重症度、動脈瘤が大きいこと、高血圧(収縮期血圧200mmHg以上)、6時間以内の脳血管撮影、検査のための緊縛、脳室内出血、脳内出血、水頭症、脳室ドレナージの設置などが関与し2-5)(IIb-III)、1か月以降の慢性期の再出血には、動脈瘤の部位、高血圧が関与する2)(IIb)。ベッド上安静のみでは外科治療や低血圧療法と比べて再出血を予防する効果は小さい2)(IIb)

 クモ膜下出血の再出血率は初日が最も高い。1ヶ月以内に限っても30%は再発する。特に重症例では再発率が高い。脳神経外科医がクモ膜下出血発症早期に脳動脈瘤根治術を行うことの根拠はここにある。