75歳以上高齢ドライバーの約8%が認知症疑い

 警察庁は、講習予備検査(認知機能検査)対象の高齢ドライバーに対し、アンケート調査を行った。


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 調査方法について、運転状況等に関するアンケート調査について概要に次のような記載がある。

1 調査目的
 講習予備検査制度及び運転経歴証明書制度等、今後の運転免許制度の改善のための検討資料とするため。


2 調査期間
 平成21年11月16日(月)から11月27日(金)までの間


3 調査要領
(1) 調査場所
 講習予備検査を実施している自動車教習所(24都府県警察所管の自動車教習所)
(2) 調査対象者
 調査期間中に講習予備検査を受検した者のうち、高齢者講習の受講後、アンケート調査について協力を得られたもの
(3) 調査方法
 本アンケート調査を実施する都府県警察において、講習予備検査の受検者数等を勘案の上、調査場所として適切な自動車教習所を選定し、調査対象者に対してアンケート調査票を配布し、回答を記入させることにより行った。


 期間と場所を区切って行ったサンプル調査である。アンケート結果を見ると、次のような事実が浮かび上がる。

(回答者合計 4,299人)

  • 第1分類: 338人7.9%
  • 第2分類: 1,216人28.3%
  • 第3分類: 2,409人56.0%


 第1分類だと、過去1年以内に信号無視など15種類の交通違反歴が一つでもあれば、専門医による「臨時適性検査」が義務づけられ、認知症と診断されれば、免許が取り消しになる。一方、第2分類の場合、高齢者講習を受講すれば免許を更新できる。第3分類だとより簡単な講習で済む。
 年齢に関する問いに答えた3,963人でみると、第3分類は、74〜78歳は63.7%だが、79〜83歳56.4%、84歳以上44.6%と明らかな減少を示す。第1分類は大きな変化がなく、第3分類が減った分第2分類が増加している。


 認知症疑いである第1分類が自分の運転能力に対し、どのような評価をしているかの回答をみると、次のようになっている。

(回答者合計 334人)

  • 運転能力には自信がある    : 90人26.9%
  • 普通の高齢者と同じくらいである: 233人69.8%
  • 運転能力には自信がない    : 11人3.3%


 講習予備検査対象者(75歳以上高齢者)の概ね8%に第1分類(認知症疑い者)がいる。そして、そのほとんどが運転能力に問題がないと自己評価している。実に恐ろしいデータである。