回復期リハビリテーション病棟入院料2は整形疾患が中心

 厚生労働省:第26回中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会資料内にある資料(検−2−3)の全体版(PDF:1,059KB)より、退棟患者調査の一部を紹介する。


# 患者の属性

  • 平成21年6月1ヶ月間に回復期リハビリテーション病棟を退棟した全ての患者9,735件(回収率不明、施設調査回収率は49.6%)。


# 入棟時の状況

  • 発症、受傷から入棟までの日数: 入院料1(加算有り)平均32.7日、入院料1(加算無し)平均32.2日、入院料2平均33.3日。
  • 原因疾患: 入院料2では、骨折と神経、筋、靭帯損傷をあわせ、49.1%。

  • 日常生活機能評価: 入院料1(加算有り) 平均6.2点 10点以上27.7%、入院料1(加算無し) 平均6.2点 10点以上27.9%、入院料2 平均5.1点 10点以上19.8%。
  • 原因疾患別にみた日常生活機能評価の点数(抜粋): 脳血管疾患 平均7.0点10点以上33.6%、大腿骨等骨折  平均5.1点  10点以上18.3%、大腿骨等の神経等損傷 平均3.2点  10点以上9.6%、廃用症候群 平均7.0点  10点以上35.1%。
  • バーセル指数: 入院料1(加算有り) 平均48.6点、入院料1(加算無し) 平均48.1点、入院料2 52.5点。
  • 高次脳機能障害の有無: 入院料2では18.1%と入院料1より少ない。


【まとめと私見
 入棟時の状況をみると、回復期リハビリテーション病棟入院料1と入院料2との間に明確な差異を認める。
 入院料1は、脳血管疾患が多いのに対し、入院料2では整形外科疾患が平均して約半数を占める。日常生活機能評価、バーセル指数どちらにおいても、入院料1の方がより重度である。高次脳機能障害患者も多い。入院料2において、整形外科疾患は自院の一般病棟から移動するものが多い。
 回復期リハビリテーション病棟を整形外科の長期入院患者のために運用している施設があると推測する。整形外科中心の医療機関では、入院料1を取得するために、重症脳血管疾患患者をわざわざ集めることはしない。退棟患者調査の結果は、病棟の成り立ちで入院料が決まるという事実を示している。