クマ型介護用ロボットRIBA

 クマ型介護用ロボットが開発された。介護支援ロボット「RIBA(リーバ)」による移乗作業の実現 | 理化学研究所より。

 独立行政法人理化学研究所野依良治理事長)と東海ゴム工業株式会社(TRI:西村義明社長)が2007年に設立した理研-東海ゴム人間共存ロボット連携センター(RTC:細江繁幸連携センター長)は、介護支援ロボット「RIBA(Robot for Interactive Body Assistance;リーバ)」を開発しました。RIBA は、人間タイプの両腕により、人をベッドや車椅子から抱き上げ、移動し、抱き下ろす一連の移乗作業を行うことができる、世界に先駆け開発された介護の負担を軽減するロボットです。これは、RTCロボット感覚情報研究チームの向井利春チームリーダー、先端ソフトデバイス研究チームの郭士傑チームリーダーらRTC全体による成果です。
 日本は少子高齢化社会に向かって歩みだしており、将来の介護者不足が大きな社会問題となっています。この介護問題を克服するため、ロボット技術の活用に大きな期待が寄せられています。特に、ベッド−車椅子間の移乗は肉体的に重労働なうえ、1日に何回も必要な作業です。そのため、多くの介護士は腰痛に悩まされるなどの問題を抱えており、介護施設などでは、移乗の負担を軽減することが解決すべき重要な課題の1つとして挙げられています。


 RIBA公式ページ 理研-東海ゴム 人間共存ロボット連携センターに、RIBAの画像・動画が紹介されている。


 第一印象は、「ちょっと不気味」。図体の大きさと可愛らしい外観のギャップが気になる。まあ、慣れれば良いことなので細かいことは言わない方が良いだろう。
 自宅で個人の介護のために使用するよりは、施設や病院での利用を想定している。実用化まであと一歩というところか。問題は価格、移動スピード、可搬重量。メインテナンス費用も含めて介護施設が導入できるレベルでないと普及は進まない。広い施設内を運搬する時に時間がかかるようなら人手をかけて行った方が楽である。また、61kgという可搬重量は中途半端。体格の良い男性要介護者の移乗動作が最も大変であることを考えると、できれば80kg程度まで到達して欲しい。
 HAL*1にしろ、RIBAにしろ、日本のロボット工学は介護への応用という点で明らかに世界をリードしている。ただし、社会保障削減のあおりをうけ、実用化は福祉先進国に遅れをとる可能性が高い。