静岡で新型インフルエンザの感染が報告される

 日本リハビリテーション医学会開催を待っていたかのように、静岡で新型インフルエンザの感染が報告された。

 静岡市葵区男児(7つ)の新型インフルエンザ感染を受け、市は27日午前、新型インフルエンザ危機管理対策本部(本部長・小嶋善吉市長)を市役所静岡庁舎で開き、新たに、男児の妹(4つ)の新型インフルエンザ感染が確認されたことを明らかにした。県内での感染者は2人目。


(中略)


 市によると、2人は母親の実家があるフィリピンに1年ほど住んでいたが、両親ら家族5人で22日、フィリピン航空438便で中部国際空港に帰国後、市内の父親の実家に来ていた。

静岡 4歳妹も感染 市、休校・休園はせず /静岡新聞 2009/05/27


 感染ルートが問題である。可能性は以下の2つである。

  • フィリピンで感染した。
  • 帰国後に、日本国内で感染した。


 感染者が多い米国やカナダからの渡航者ではない。しかも、新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)確定症例数をみると、5月26日時点でフィリピンの感染者はわずか2名である。日本の方が350名と圧倒的に多い。だが、この数字はあくまでも報告された数値であり、フィリピンでも新型インフルエンザ感染が既に広がっているということは考えられる。日本と違って、厳密な検査をしないため、季節性インフルエンザとの区別がついていないだけかもしれない。
 日本国内で感染した可能性も捨てきれない。http://www.sendai.miyagi.med.or.jp/influenza.html第4号(2009年5月22日)をみると、東北大学感染制御・検査診断学教授の賀来満夫先生は講演で次のように述べている。

新型インフルエンザの潜伏期: 潜伏期はまだわかっていないが、 1−7日間の範囲と考えられており、1−4日の可能性が高い。


 一家は5月22日に帰国し、男児は5月25日に、女児は26日に発熱した。たまたま、海外渡航歴がある発熱患者とのことで、詳細検査を行ったところ新型インフルエンザと分かった、という筋書きも考えられる。


 http://www.congre.co.jp/jarm2009/、重要「新型インフルエンザに対するお知らせ(第2報)」を見ると、日本リハビリテーション医学会は予定どおり開催されることになっている。報道をみる限り、日本では新型インフルエンザによる重症患者はまだ出ていない。楽観視してはいけないが、パニックになる必要もない。