東北では、獣医師も不足

 東北では、医師だけでなく獣医師も不足している。

医師不足で行政悲鳴 東北各県 定員割れ相次ぐ


 東北の各県が獣医師不足にあえいでいる。新卒の獣医師の多くが民間の動物病院への就職を希望するためで、中には採用試験で定員割れに陥るところも出ている。食の安全確保や感染症対策など業務の重要性は高まる一方で、現場からは「限界寸前」との声も上がり、各県は人材確保に躍起になっている。


 東北有数の食肉検査頭数を誇る青森県十和田食肉衛生検査場(十和田市)。獣医師の資格を持った検査員は一日当たり牛100頭を1人で担当する。豚なら1500頭で、一時間当たり約250頭を調べる計算になる。
 同県保健衛生課の葛西浩副参事は「体力的にきついだけでなく、瞬時に安全かどうか間違いの許されない判断を迫られるので、強い精神力も必要になる。これ以上、負担は掛けられない」と訴える。


 団塊世代の大量退職もにらみ、青森県は人材確保に乗り出しているが、思うような成果は挙げられていないのが現状。本年度の獣医師採用試験では、募集人員8人に対して、応募は5人にとどまった。4人の合格者のうち1人は辞退を申し出ている。
 東北の他県の状況も深刻だ。宮城県は5人、秋田県は3人募集したものの、応募はそれぞれ4人と1人で、いずれも定員割れ。岩手は定員6人に7人、福島では定員5人に7人の応募がそれぞれあったが、合格通知後の辞退者が相次ぎ、両県とも結局、定員に満たない人数しか補充できない見込みだという。


 厚生労働省の加地祥文監視安全課長は「今後5年ほどで真剣に獣医師確保を行わないと、行政の公衆衛生分野は破たんする。とりわけ首都圏以外の東北や九州は深刻な状況だ」と指摘する。
 北里大獣医学科(十和田市)では2008年3月の卒業生134人のうち、89人(66%)が民間の動物病院に就職。国家公務員や独立行政法人を含めた行政職に就いたのは12人(9%)だけだった。


 青森県人事課は、行政機関が敬遠される理由について「身近な小動物臨床の志向が高まっているだけでなく、公衆衛生分野の仕事の内容が十分に知られていないことも大きい」(富谷正行総括主幹)と指摘。「地道に大学などを回って、働きがいのある仕事だということをPRしていきたい」と話している。
2009年01月13日火曜日

http://www.kahoku.co.jp/news/2009/01/20090113t73017.htm


 獣医師がどのように牛や豚を診察するのかは門外漢なので全くわからないが、1時間に豚250頭を調べるなど人間業とは思えない。歩容、鳴き声、肌つやなどを見て、異常があるものをスクリーニングするということを行っているのだろうか。
 食の安全の確保の意味でも、獣医師の確保に取組んでいただきたいと切に願う。