脳卒中地域連携パス、ローカルニュースで紹介される

 民放のローカルニュースで、脳卒中の地域連携パスが紹介されました。約5分ほどのニュースでしたが、要点がまとまっており、分かりやすい内容でした。私自身も取材され、地域連携パスの意義やリハビリテーション医療の現状について、記者にご説明をしました。私自身のインタビューは10秒ほどしか放映されませんでしたが、相談を受け助言した内容がニュースに反映されていたので、満足しています。


 急性期病院から当院にご紹介された患者とそのご家族へのインタビューが中心でした。急性期の主治医の発言も放映されました。印象に残ったのは次の2つです。

  • 「この地域連携パスを運用している病院なら安心だと思われるようなネットワークを作りたい。」
  • 「紹介先の病院が少ないので、すぐに転院しリハビリテーションをしたいと思ってもなかなかできない。」


 地域連携パスを運用する時には、年に3〜4回ほど定期的な集まりを行うことが義務づけられています。初めは交流が中心となりますが、そのうちお互いの医療内容が分かるようになります。自然と切磋琢磨するようになり、全体の医療水準が上がっていきます。また、急性期病院、回復期リハビリテーション病院の役割分担が明確になり、お互いの経営にもプラスになります。何より患者さんにとって、治療段階に応じた最善の医療を提供することができます。今後、連携パスをより良いものに変えていくなかで、地域の脳卒中診療のレベルを向上させたいと願っています。


 東北地方には、まだまだリハビリテーション病院が少ないのが現状です。どの地域でも標準的なリハビリテーション医療を受けることはできません。脳卒中になってすぐに退院させられ、寝たきりになっている方は少なくありません。新幹線沿線はまだ良いのですが、太平洋沿岸部は悲惨な状況です。県都のネットワークをつくりあげることが先決だとは分かっていますが、リハビリテーション医療の空白地帯にも何とか足がかりを作れないかという思いをいつも抱いています。


 いずれにせよ、リハビリテーション医療がマスコミで取りあげられる機会が増えてきています。認知度が少しずつ上がってきたことは嬉しい限りです。