社会保障審議会介護給付費分科会(第53回)議事次第(9月18日)より、資料2−3 09年度改定に関する要望事項等について(日本リハビリテーション病院・施設協会)(PDF:400KB)の概要部分を引用する。なお、本資料は24ページの分量となる。各項目の後ろに要望が言及されたページ数をつけた。
09年度改定に関する要望事項等の概要
1.通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションの見直し
2.リハビリテーションマネジメント加算の見直し(見直し) 1ページ+資料1ページ
- 毎回から月1回の評価とし、報酬を見直す
3.訪問リハビリテーションの拡充(見直し) 2ページ+資料1ページ
4.医療保険から介護保険へのスムーズな移行のための評価(見直し) 1ページ+資料2ページ
- 移行期に双方で、カンファレンスを実施することなど、初回加算(II)について、条件や回数制限の緩和
5.短期入所を利用した集中的なリハビリテーションの実施(新規) 1ページ
リハビリテーション関連団体と厚労省が事前のすりあわせをした上で、本要望が出されていると推測する。注目すべきは、「介護保険における短時間型リハビリテーションの創設(新規)」の部分である。本資料の中で最も分量が多い。
介護保険における維持期リハビリテーションについてというエントリーで、2007年11月30日、中医協診療報酬基本問題小委員会にて行われた維持リハビリテーションに関する集中討議を紹介した。その中で、鈴木老人保健課長は、短時間型リハビリテーションに関し、次のような発言をしている。
それを受けまして、平成18年度から、今年度も継続しておりますけれども、ここの2つの「◆」のところについて、研究を、今モデル事業を含めて実施をしております。1つは、リハビリテーションに特化した「短時間リハビリテーション」、これは「お預かり機能」がない維持期のリハビリテーションをどのように行うのかという検討、それからもう1つは、通所リハビリテーション、やはりある程度以上提供事業所の箇所数がございませんと実際上利用するのが難しいということにもなりかねませんので、これをどうやって拡大をしていくのか。特に老人保健施設だけではなくて、医療機関にも実施をしていただくにはどうするかというようなことも含めて、18年度からモデル事業をしております。介護のほうは平成21年度に報酬改定でございますので、それを受けまして、何らかの手当てをできる方向で検討していただければと思っております。
先のエントリー記載時、私が厚労省の意図はこうではないかと感じたことを再掲する。
- 脳血管疾患や運動器疾患の維持的リハビリテーションは、原則として介護保険で行うことにしたい。一方、心大血管の維持的リハビリテーションは、介護保険事業所の受け皿がなく、医療保険で行う。
- 通所リハビリテーションに個別リハビリテーション加算を設けたところ、50%弱が利用するようになっている。また、通所リハビリテーション利用者も増えている。このことを、通所リハビリテーションで維持的リハビリテーションを行うことは可能ではないか、という論拠としたい。
- リハビリテーションに特化した「短時間リハビリテーション」を具体化したい。そのためにも、「短時間リハビリテーション」を実施する医療機関の事業所を増やしたい。施設要件などについて論点をまとめ、整理する。
「介護保険における短時間型リハビリテーションの創設(新規)」以外では、「訪問リハビリテーションの拡充(見直し)」と「医療保険から介護保険へのスムーズな移行のための評価(見直し)」が、要望の中で占める割合が高い。おそらく、この3つがリハビリテーション関連では介護報酬改定の俎上に載せられることになると予測する。