規制改革会議議長の繰り言

 CBニュース、「風向き変わった」と規制会議議長より。

「風向き変わった」と規制会議議長



 7月2日の規制改革会議終了後の記者会見で、草刈隆郎議長(日本郵船会長)は規制緩和をめぐる最近の状況について、「風向きが逆に変わっている」と述べ、官主導による規制強化に向けた動きが活発化しているとの見方を示した。


 草刈議長は「規制緩和すると格差拡大につながるという雰囲気がある。そういうムードの中で、官が規制強化に向けた巻き返しをしているということだろう」との認識を表明。
 その上で、セーフティーネット関連など必要最低限の規制を維持する一方、既得権益の保護を狙う規制強化については、「断固指弾していく」と述べた。福田康夫首相のリーダーシップへの期待感も示した。


 一方で、「政治情勢が混沌(こんとん)としている中で、極めて近い将来に何が起こるかといった方向に話が行ってしまっている。国の成長をどういう方向に持っていくか、歳出削減で国を豊かにするという議論が消えてしまっているのは大変残念」とも指摘。「やりにくい世界の中でもベストを尽くす。淡々とやっていくしかない」と述べた。


更新:2008/07/03 12:34   キャリアブレイン


 財界は、自らの利益創出を狙って、「規制緩和」の名の下にルール撤廃を進めてきた。その象徴が派遣労働問題である。「規制緩和」という言葉を免罪符のように使用したことが、ワーキングプアなど社会問題の温床になっている。「官」対「民」という対立図式を作り出し、自らが「民」代表のふりをする資格は「財」(規制改革会議メンバー)にはない。草刈規制改革会議議長は、「風向き変わった」などと繰り言を述べている。どうやら、「民」は、「官」だけでなく「財」にも厳しい目を向けていることにやっと気がついたようである。
 規制改革会議は、悪名高き宮内義彦氏が議長を務めた規制改革・民間開放推進本部のあとを受け、安倍前首相の肝いりで作られた。その安倍首相は参議院選挙大敗後の迷走を経て政権を放り投げた。後継の福田政権は支持率低下にあえいでいる。規制改革会議の答申どおりにすることは、政権退陣に結びつく。もはや、政府関係者も誰も相手にしない規制改革会議存続は税金の無駄遣いにしかならない。むしろ、早々に解消した方が、政府の支持率アップにつながるのではないだろうか。