CPM中に膝関節靭帯損傷

 気になるニュースがあった。彦根市立病院:リハビリで後遺症、女性と963万円で和解 /滋賀より。

彦根市立病院:リハビリで後遺症、女性と963万円で和解 /滋賀


 彦根市は2日、市立病院(赤松信院長)で変形性膝(ひざ)関節症で右膝人工関節の手術を受け、リハビリ中に靱帯(じんたい)を損傷して後遺症が残ったとして、同市内の60代の女性に約963万円の損害賠償金を支払うことで和解したと発表した。9日開会の市議会に議案を提案する。


 病院側によると、女性は99年7月の初診。02年5月までに3回の右膝人工関節の手術を受け、ベッドで電動下肢屈伸機を使い、曲げ伸ばしの訓練をしたが、靱帯断裂で関節が動きにくくなった。靱帯の手術を4回受けたが治らず、化膿性関節炎のため人工関節と人工靱帯を取り出し、関節の固定手術をした。右足が左足より約8センチ短くなり、金沢大付属病院で脚延長手術を受けたが、障害が残った。


 赤松院長は「手術後の経過が順調でなく、患者に迷惑を掛けた」とするコメントを出した。【松井圀夫】


 整形外科領域では、持続的他動運動(Continuous Passive Motion;CPM)という機械を利用し、術後早期より関節拘縮を予防するための取組みをしている。慶應大学整形外科、人工膝関節置換術を受けられる方の入院から退院までの予定に、CPMを使ったスケジュールが紹介されている。


 医療事故は、何よりも再発予防対策をとることが必要である。なぜ術後に靱帯損傷が生じたか、経験を広く共有すべき事例と考える。