内部告発者の首切り事件(ワタミ)

 Yahoo!ニュース、内部告発で解雇 居酒屋「和民」元パート男性が提訴より。

内部告発で解雇 居酒屋「和民」元パート男性が提訴
6月2日21時46分配信 産経新聞


 居酒屋「和民」などを展開するワタミフードサービス(東京)の賃金未払い問題で、労働基準監督署内部告発したため解雇されたとして、20代の元パート店員の男性=大阪府在住=が2日、同社に約450万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
 訴状によると、男性は平成15年4月から「和民香里園駅前店」(大阪府寝屋川市)で勤務。勤務時間から30分未満の端数を切り捨てる賃金未払いがあったため、18年7月に北大阪労働基準監督署に通報した。2カ月後、同社社員から「労基署に行くようなやつは企業にとって脅威」などといわれ、解雇されたという。
 同社は18年10月の同労基署の是正勧告を受け、東京や大阪など47店舗の217人に未払い分計約1200万円を支払っている。
 ワタミ広報担当は「訴状を見て対応を検討したい」としている。


 関連記事、読売新聞、「ワタミ」アルバイト217人に未払い賃金支払いより。

ワタミ」アルバイト217人に未払い賃金支払い


 居酒屋「和民」などを全国展開する外食チェーン大手「ワタミフードサービス」(東京)の大阪府内の2店舗が、アルバイト店員の勤務時間の一部を切り捨て正当な賃金を支払わなかったとして、北大阪労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けていたことがわかった。


 未払い賃金は全国の47店で217人に及び、同社は計約1200万円を支払ったという。


 同社の持ち株会社ワタミ」(同)によると、同府寝屋川市などの2店が、アルバイト店員の勤務時間を1分単位で記録せずに30分単位で端数を切り捨て、その分の賃金が未払いになっているとして、06年9〜10月に是正勧告を受けた。


 同労基署管内の他の4店でも同様の事例が確認されたほか、ワタミフードサービスが昨年1月から全国約400店のアルバイト店員約1万2000人の勤務時間を調べた結果、さらに41店で切り捨てが判明したという。


 「ワタミ」社長室の話「1分単位で勤務時間の管理をするよう指導してきたが、徹底できていなかった。今後は一層コンプライアンス(法令順守)の強化に取り組みたい」


(2008年6月1日20時58分 読売新聞)


 切り捨てが判明した分1200万円を支払った点については、「ワタミ」の対応は評価できる。「今後は一層コンプライアンス(法令順守)の強化に取り組みたい」という「ワタミ」社長室の談話も期待を持たせる。しかし、その一方、内部告発者に対し、「労基署に行くようなやつは企業にとって脅威」などといわれ、平然と解雇している。日付をみると、労基署の是正勧告を受け、未払い賃金を支払う時期と重なる。これは見せしめである。


 「ワタミ」社員は、内部告発者を保護する目的で2006年4月から施行された公益通報者保護法という法律を知らなかったらしい。ここは、法令遵守強化を宣言した「ワタミ」社長室の迅速な対応を期待したい。さもないと、賃金未払い事件以上に社会的指弾を受けることになるだろう。