後期高齢者医療制度の破綻と後期高齢者特定入院料という時限爆弾

 後期高齢者医療制度の給付体系は、分かりにくい。独自の診療報酬体系があるわけではなく、診療報酬の中にさりげなく紛れこまされている。今回、診療報酬提供サービスというサイトでの検索を行い、「後期高齢者」と名称がついた診療料を収集してみた(後期高齢者医療制度の給付体系参照)。


 2008年度診療報酬体系で新たに導入された項目は、次のとおりである。

第1章 基本診療料

第2章 特掲診療料
 第1部 医学管理等


 一方、以前「老人〜」と表現されていたものが、「後期高齢者〜」と変更されたものは、次のとおりである。

第1章 基本診療料

第2章 特掲診療料
 第1部 医学管理等

  • B011-03 後期高齢者薬剤情報提供料(手帳に記載する場合) 15点

 第2部 在宅医療
 在宅患者訪問看護・指導料における加算

  • C005-00 後期高齢者終末期相談支援加算(在宅患者) 200点
  • C005-01 後期高齢者終末期相談支援加算(居住系施設入居者等) 200点

 第9部 処置


【新規導入群の特徴】
(1)外来診療への低額包括性の導入
 B016-00 後期高齢者診療料(600点)の要点をまとめた。

[算定要件]

  • 保険医療機関である診療所又は当該病院を中心とした半径4キロメートル以内に診療所が存在しない病院において算定できることとする。
  • 服薬、運動、栄養、日常生活等に関する総合的な治療管理に係る診療計画書を交付した月から算定するものとする。交付の頻度は、3月に1回程度を目途とするが、病状が安定し、診療計画に変更の必要がないと認められる患者については、最長で1年間の診療計画書を作成しても差し支えない。なお、交付した当該診療計画書の写しは診療録に添付しておくものとする。


  • 患者に対して診療計画書により丁寧な説明を行い、患者の同意を得て、当該診療計画書を交付し、当該診療計画に基づき、必要な指導を行った場合に月1回を限度として算定する。なお、行った指導内容の要点を診療録に記載するとともに、文書を用いて患者に提供するとともに診療録に記載すること。


  • 当該患者に対して行われた医学管理等、検査、画像診断、処置は後期高齢者診療料に含まれる。ただし、病状の急性増悪時に実施した検査、画像診断及び処置のうち、550点以上の項目については別途算定できるが、理由等を診療明細書の摘要欄に記載すること。
  • 患者の主病と認められる慢性疾患の診療を行う1保険医療機関のみにおいて算定する。
  • 当該診療所(又は医療機関)に次のそれぞれ内容を含めた研修を受けた常勤の医師がいること。
    • 研修事項:高齢者の心身の特性等に関する講義を中心とした研修。診療計画の策定や高齢者の機能評価の方法に係る研修。
  • 毎回の診療の際に服薬状況等について確認するとともに、院内処方を行う場合には、経時的に薬剤服用歴が管理できるような手帳等に薬剤名を記載する。


[対象疾患]


(参考 特定疾患療養指導管理料に含まれ、後期高齢者診療料に含まれない代表的疾患は次のとおり。: 悪性新生物、処置後甲状腺機能低下症、虚血性心疾患、肺気腫、胃炎及び十二指腸炎、肝疾患、慢性ウィルス性肝炎、その他の慢性膵炎)